妊娠中毒症

妊娠のさいに高血圧、むくみ、たんばく尿など腎炎と似た症状があらわれる異常妊娠。おもに妊娠の後半期に起こり、出産が終わると治るという特徴がある。分娩時大出血と並ぶ妊産婦死亡の2大原因であるとともに、死産や未熟児が多く、注意が必要である。

症状

むくみ、高血圧、たんぱく尿の3つがおもな柾状で、これらのうちひとつだけがあらわれるケースと2つ以卜があらわれるケースがある。

原因

かつては妊娠に関係したなんらかの毒物が原因だと考えられて妊娠中毒症と名づけられた。しかし現在では妊娠後半期の血管や腎臓の負担増大が引き金となって、血管系や腎臓に病気あるいは体質的欠陥のある人に前述のような症状があらわれると考えられている。なお双生児などの多胎妊娠では、血管や腎臓に欠陥がなくても妊娠中毒痛になることがある。

診断

高血はについては血止測定が、たんばく尿については尿検査が、むくみについては触診が行われる。

治療

安静を保つことが第一であり、とくに子宮内の環境を平静維持するために、側臥位による安静が基本である。次いで重要なのが食事療法で、塩分の制限と動物性たんばく質、植物性脂肪の摂取が中心となる。なかでも塩分の制限は重要で、症状が軽い場合には1日10g未満、重症の場合には1日2g未満が目安となる。
また過食は避けるようにし、軽症の場合は1日1800kcal重症の場合は1600kcal程度とする。水分の制限は症状が軽ければ必要ないが、重いときには前日の尿量に500mlを足した程度とする。なお、薬による治療は、必要に応じて血圧降下剤や利尿剤などが用いられる。

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