耳が痛い・耳だれがある

耳下腺炎

耳下腺、舌下腺といった唾液を分泌する腺(唾液腺) に炎症が起こる病気を総称して唾液腺炎という。その唾液腺炎のなかで、最も発症頻度が高いのが耳下腺炎である。

症状

耳下腺のはれと、発熱で、耳下腺部を押すと痛む。炎症が強いときには、耳下腺を押すと、口のなかの開口部からうみが出たりする。また口を動かしにくく、話しづらくなったりもする。

原因

熱性疾患のときなど、唾液の分泌が減少して、細菌感染を受けて起こる

治療

抗生物質を用いる。ひどく化膿している場合は、切開してうみを出すこともある。唾液管の末端が拡張していると、年に何回も感染して、はれたり、うんだりを繰り返す反復性耳下腺炎もある。再発予防には、うがいをして口腔内の清潔を保つことが大切。

外耳道炎・耳癤

耳掃除や外耳に傷をつけた場合や、入浴や水泳などで耳に水が入ったことが誘因となって外耳道に起こる炎症を外耳道炎という。また、あまり炎症が広がらないで、外耳道の入り口に生えている毛穴から化膿菌が入って炎症が起きる場合を耳癤という。
鼓膜に近づくと毛は生えていないので、外耳道全体には広がらなヽ0-Y外耳道炎、耳櫛とも痛みが強く、口を動かしたり、耳たぶを引っばったりすると激痛が走る。

治療は、外耳道を清掃して、抗生物質の軟膏を塗布したり、抗生物質の薬を服用するが、腫瘍を形成している場合は切開する必要がある。予防としては、水泳後は耳に入った水をよくふき取ったり、マッチ棒などで耳のなかをかきまわさないようにすることなどがあげられる。

慢性中耳炎

慢性中耳炎には、化膿菌の感染による慢性化膿性中耳炎と、鼓膜に穴があき、まわりの上皮が中耳に入って上皮の剥脱角化物がたまり、腫瘍のように見える真珠腫性中耳炎の2つに分類される。後者は、骨を破壊して進行し、中耳を走る顔面神経をまひさせ、さらに内耳炎を引き起こすほか、頭蓋に進んで脳膜炎を起こすこともある。

症状

鼓膜に穿孔(穴があくこと)があり、耳だれが出る。耳だれに悪臭があると真珠腫である。耳だれが刺激するため、外耳道炎を引き起こしやすく、多くの場合、難聴になる。めまいが起きれば内耳炎の併発が疑われ、また発熱や激しい頭痛を伴えば脳合併症の疑いもある。

診断と検査

鼓膜に穴があいているかどうか、耳だれがあるかどうかで診断できる。

治療と予防

抗生物質で炎症をおさえて、耳だれを止めるが、鼓膜の穿孔や破壊された中耳はそのまま残る場合が多い。真珠腫性中耳炎は鼓室形成術という手術をしなければならない。
鼓膜の穿孔をふさいで、音を鼓膜から内耳に伝える耳小骨をつなぎ直せば、聴力は改善できる。慢性にならないよう、急性中耳炎のうちに完全に治壊する必要がある。