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不登校

からだの発育は正常であり、知能の発達にもなんら問題はみられないにもかかわらず、登校または登園しない、あるいはできない。
受験戦争やいじめの問題とも関連して、近年ますます大きな社会問題となっている。

症状

登校時間が近づくと、急に頭痛や腹痛、吐きけなど身体的な異常を訴えて、学校へいくのをいやがる。しかし、午前中を過ぎるとうそのように症状は消えてしまう。

夜間や休みの口には症状はみられず、登校の準備をするが、翌日にはまた同じ症状が起きる。不登校が続くと、登校しないという事実が本人の不安を生むようになる。

勉強の遅れが心配になりだし、学校へいきたいけれど、先生やクラスメートの目が気になって登校できないという矛盾に悩むようになる。親が登校させようとすると、ますます反抗的になって乱暴したりするのもこの時期である。

さらに、登校しない日が続くと、家族ともあまり口をきかなくなり、自分の部屋に閉じこもったりして、ほとんど自閉症に近い状態になってしまう。

原因

背景には「いじめられる」「先生が怖い」「勉強についていけない」「規則が厳しい」といったことがある。しかし多くの場合、原因は家庭にあり、学校でのできごとはきっかけにすぎないとの考え方もある。

年少児では、母親との間に心理的な乳離れができていない、親の過保護で甘やかされている、社会的なしつけが欠けている、などの原因が考えられる。年長児では、対人関係における不安や劣等感をもちやすく、性格的に未熟で依頼心の強い子に多くみられる。また、不登校の子どもの父親には、無力型、不在型、暴君型といえるような3つのタイプがあることを指摘する説もある。いずれにしても、原因は子どもによって異なるため決めつけることはできない。

治療

子どもの場合、頭痛や吐きけといった身体的な症状を訴えることはあっても、真にある心の問題が表にあらわれることはほとんどない。
そこで子どもの気持ちをよく聞き、親はその立場や心の奥にあるものを十分に理解することが必要である。無理に登校させようと強制するのは、かえって逆効果。

家族と学校の先生とが協力し、子どもが自発的に登校できるような環境を整えることが大切である。症状が重い場合には、専門的な相談員によるカウンセリングや自律訓練による精神療法が必要となる。子どもによって、通院治療で比較的短期間で治るものから、入院治療を必要とするものまでさまざまである。

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