のどが痛い・飲み込みにくい・つまる

咽頭炎

咽頭に起きた炎症で、急性と慢性のものがある。おもな症状には、何か飲み込んだときの強い痛みやのどの異物感がある。

急性咽頭炎

症状と診断

のどに乾燥感や何かひっかかっているような異常感をもつ自覚症状に始まり、しだいに食べ物を飲み込むときに強い痛みを覚えるようになる。扁桃炎が起きている場合は、さらに痛みは激しくなる一方、高熱を発けんたいしたり、全身倦怠などの全身症状もあらわれる。のどが痛くて食事ができなくなったために、全身衰弱を起こすこともある。診断は患者自身が鑓にのどを映してみればわかるもので、特徴はのどの赤ろいはれ。咽頭リンパ濾胞がはれて大きくなったつぶつぶがみられる。扁桃炎が起きているときは、扁桃も赤くはれて白い苔がついているのがわかる。

原因

ウィルス感染、細菌感染が原因であり、かぜの一症状としてあらわれることも多い。

治療

初期は安静にして、うがいを十分に行い、対症療法として鎮痛剤、解熱剤を用いることもある。一般的には抗生物質を使う。

慢性咽頭炎

急性咽頭炎が慢性化したり、咽頭が刺激物で炎症を起こしたときに発病することが多い。

症状と診断

急性の咽頭炎や扁桃炎を起こしたときは、それぞれの特徴的な症状があらわれるが、ふつうはのどがいがらっぽかったり、かゆみ、乾燥感を覚える。急性咽頭炎と同様に患者自身が診断できるが、咽頭のつぶつぶや扁桃の表面のくぼみの大小不規則さ、くぼみに黄白色のうみのかたまりがみられるのが特徴である。

原因

急性咽頭炎を繰り返した結果、発病するほかに、鼻の病気や口腔の不衛生が原因となる例、また過度の喫煙や飲酒、ホコリなどが、咽頭粘膜を刺激したために起こる域八‖がある。

治療le

刺激のある食べ物を控えて、うがいを励行し、アルコール液の塗布などの手洗いを行う。

三叉神経痛

神経痛は突然、神経にそって痛みがさん走るもので、顔面に起こる神経痛を三叉神経痛と呼び、おもに中年期以降に発病する人が多い。

症状

ズキンとする痛みが瞬間的に顔面片側に起き、発作的に痛みが繰り返し続くのがおもな症状である。発作の持続時間は短いときで数時間、長いものでは1週間ぐらい続くということもある。痛みの広がりは、顔の片側にある三叉神経全域にわたる場合と、眼神経(第I。し」卓りがく一枝)、上顎神経(第二枝)、下顎神経(第三枝) のそれぞれに分かれることもあり、とくに第一枝、第三枝に集中することが多い。また痛みの特徴として、一度おさまっても、何か飲み込んだり、温度差を感じたり、人に話しかけられた程度でも次の痛みの発作が始まったり、また痛みの度合いが増大することがある。

原因

持発性三叉神経塙と呼ばれる原因不明の神経痛がほとんどで、ほかには顔面の三叉神経の近くにある歯、耳、目に起きた病気が原因となる場合や、糖尿病、アルコール中毒、頭部の腫瘍や動脈療、動脈硬化症が原因となる例もある。

治療

ふつうの鎮痛剤では効果がなく、神経の興奮を抑える働きのある抗てんかん剤(カルバマゼピン) の服用が有効である。また三叉神経へのアルコール注射が行われることもある。

生活の注意

痛みの発作が起きたときは、刺激を避けるために、部屋を暗くして安静にする。日常生活では過労や精神的な疲労を避けるようにして、規則的な生活ができるよう配慮することが大切である。

扁桃炎

口蓋扁桃に炎症が起きたもので、急性と慢性がある。のどに異物感や痛みを感じるのがおもな症状である。

急性扁桃炎

咽頭に起こった咽頭炎と同時に発症し、扁桃に急性の炎症が起きたものを指す。

症状と原因

のどに異物感があり、何かを飲み込んだりしたときに差しむような痛みを感じる。化膿してうみがたまることもある。原因は扁桃についた細菌が過労やかぜなどで、抵抗力が弱まったときに増殖して症状を起こすためである。人によっては、かぜのウイルス感染が原因となって発病することもある。

治療

痛みをやわらげるには、鎮痛消炎剤を内服する。また、うがいは炎症をやわらげる。そのほか抗生物質を用いたり、うみがたまったときは、切開してうみを出すことがある。

慢性扁桃炎

急性扁桃炎が慢性化したもので、ほかの病気の原因となることもあり、注意が必要。

症状

のどに異物感があったり、のみ込むときに痛みを感じるほかに、微熱を伴うこともある。

治療

急性症状があらわれたときの治療は急性と同株で、この慢性扁桃炎から心内膜炎や心筋炎、結節性紅斑、またリウマチ性関節炎など、ほかの重い病気に移行することもあるので注意が必要。年に何回も急性症状が出るときは、手術を受ける必要がある