けいれん

破傷風

症状

はじめは頭痛、首がまわらない、口が開かないなどの症状で始まるが、しだいに起立・歩行が困難になり、さらに全身の強いけいれん、筋強直、などの症状があらわれる。外からの光や皮膚刺激などで、けいれんが誘発されることもある。

原因

傷口から破傷風菌が入り、菌の出す毒素によって神経がおかされ、呼吸筋やからだの筋肉が強直を起こす。菌は、不潔で深い傷のなかで増えやすいため、はだしで針やトゲ、古クギを刺したときなどに起こりやすい。
ふつう感染後4~10日で発症し、潜伏期間が短いほど生命を失う危険性が高い。
新生児ではへその緒から菌が入り込むことがあり、以前は死亡率が高かったが、施設分娩と消毒方法の進歩で、今ではみられなくなった。
治療は、破傷風ヒト免疫グロブリンの注射や輸液、抗けいれん剤などを用いるが、子どもの場合、破傷風トキソイドの予防接種をしていればほとんど感染の心配はなく、現在は少ない。

てんかん(子供)

てんかんには、大発作、点頭てんかん、小発作、精神運動発作、自律神経発作などの型があり、それによって治療法や予後も異なってくる。

症状

大発作のときは、突然、全身をかたくしてガタガタとふるわせ、顔色が悪くなり、眼球をつり上げて気を失う。また、尿や便をもらし、泡をふくこともある。発作の時間は、一定していないが、時が過ぎると大きく息をしてから眠り込んでしまう。

点頭てんかんは、生後5~6ヶ月の乳児に多くみられるもので、瞬間的にうなずくように頭をガクンガクンと前たに垂れ、両手を上にあげるなどの発作を繰り返す。
また両目もつり上がる。こうした動作を、家族はくせだと思ってしまうこともよくあるので、注書が必要である。この場合、知能障害を伴っていることが多く、脳波にはヒブスアリスミアという特徴的な異常波がみられる。早期に治療すれば、知能の遅れを食い止められることもある。

小発作は、幼児から学童に多い軽発作で、瞬間的に意識を失い、まわりの者が名前を呼んでも返事をしない。

精神運動発作では、突然、ボーッとした表情になり、無意識のうちに舌打ち、舌なめずりをしたり、顔の半分がぴくぴくしたりする。

自律神経発作(腹性てんかん)は、吐きけや嘔吐、頭痛、腹痛、発汗、めまいなど自律神経症状を主とする発作で、小児や学童に多くみられる。

原因

胎児期や出産時の脳の損傷、細菌やウィルスによる脳の感染、頭のケガや脳血管障害などが原因で、遺伝的な要素は少ないとされている。

治療

発作の型や症状に適合した抗てんかん薬を服用する。発作時は熱性けいれんの場合と同じく衿もとをゆるめ、発作がおさまってから病院へ連れていく。一般に入院の必要はない。

成人のてんかんはこちら

熱性けいれん

発熱とともにけいれん(ひきつけ)を起こす病気で、生後6ヶ月ごろから4~5歳までの子どもに多い。とくに1~2歳の子どもに多発し、7歳を過ぎるとほとんどみられなくなる。子どもの約8% に起こり、家系的なもの(とくに両親)の影響が多い。

症状

発熱直後から6時間以内で、熱が38~39度を超えると起こりやすく、全身性のけいれんが2~20分続いておさまる。一度起こすと繰り返しやすいが、あっても年に3~6回以内である。

症状が髄膜炎や脳炎の初期のものと似ているので、発作を起こしたら必ず専門医にみてもらう必要がある。

経過

経過は一般に良好で、5歳を過ぎるころから自然に起こらなくなるが、次のどれかにあてはまるときには、てんかんに移行する恐れがあるので、脳波などの検査を受けるようにする。

応急手当

けいれんの発作を起こしたら、周囲の人がまず落ち着き、吐いても気管に詰まらせないようにからだを横に向けて衿もとをゆるめてやり、発作がおさまってから医師のところへ連れていく。発作で舌をかみ切ったりすることはめったにないので、割り箸を入れたりする必要はない。