子供

皮膚カンジダ症

オムツかぶれの症状に似ているが、皮膚カンジダ症は、赤みが点状で盛り上がっており、しだいにはがれ落ちて紅斑となる。

原因は便中のカンジダ菌(カビの一種)。

オムツを当てているおしりは、ただでさえカピの繁殖に適している。体力の低下時や入浴しなかったことなどがきっかけでカンジダ菌が異常繁殖し、皮膚の表皮、角層に侵入して炎症を起こす。

予防としては、オムツかぶれ同様、オムツをこまめに交換する、おしりが汚れたら洗う、通気性のよい天然素材のオムツカバーの使用などが効果的。また、カンジダ菌の繁殖を促進する副腎皮質ホルモン剤をむやみに使わないことも大切である。

アトピー性皮膚炎

症状

乳児の場合、頼や額を中心に、頭や耳のまわりに赤く小さなブツブツができ、ジクジクしたり、かさぶたにしろ、つなったり、脂漏を伴う場合もある。首まわりやわきの下、手足の関節部分、足のつけ根に出ることもあり、かゆみが強いため、かいたり頭をこすりつけたりして不機嫌になる。

幼児期になると、一般に顔には少なくなるが、首や体中の関節に多くなり、ジクジクするよりはむしろ乾いてカサカサし、粉をふいたように見える。

小学生以降ではさらにザラザラする感じで、梨の皮のような皮膚になる。とくに関節の内側が赤く厚ばったくなり、手首や足首、ひじやひざ、首のまわりがひどく、かゆみのためひっかき傷が重なったりする。顔もはたけのようにかさついて、耳たぶの下が切れやすくなる。ふつうは成長とともに軽くなり、15歳ごろには目立たなくなるが、成人まで続くこともある。

原因

生まれつきのアレルギー体質に、牛乳、卵白、大豆などの食物抗原(アレルゲン)やダニ、カビをはじめ、何かの刺激が加わって起こると考えられている。
家族や近親者にぜんそくやアレルギー性鼻炎といったほかのアレルギー疾患をもつ場合が多く、ぜんそくやアレルギー性鼻炎に移行したり、それらを合併することが多い。

治療

原因となるアレルゲンを調べ、それを除く方法や抗アレルギー剤の服用、年齢や症状に合わせた対症療法がある。対症療法には非ステロイド剤や副腎皮質ホルモン剤などの軟膏が用いられる。

症状がおさまっても、薬をやめると再発することが多いので、根気強い治療が必要である。なお、この病気をもつ乳児は、幼児期には気管支ぜんそく、学童期からはアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎に移行していくことがある。

このように、アレルギー疾患がかたちを変えてあらわれることをアレルギーマーチ(アレルギーの行進)と呼んでいる。アトピー性皮膚炎と気管支ぜんそくが合併したときは、治りにくいぜんそくとなることが多いので注意を要する。

生活の注意

衣類は木綿のような柔らかさで静電気を起こさず、吸湿性に富むものを選ぶ。入浴はよいが、香料の少ない石けんや弱酸性石けんを用る。皮膚を清潔に保ち、医師の指示どおり薬を用いることが大切である。

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とびひ

おもに黄色ブドウ球菌によって起こる伝染性の皮膚病で、小さい傷や虫さされなどをひっかいて菌が侵入する。夏に多くみられるものである。

症状

突然、大小さまざまな水疱が顔やからだのいたるところにあらわれる。水疱は破れやすく、ただれて、そのうちかさぶたになる。水疱のなかに菌がいるため、破れると健康な部位について、どんどん広がっていく。ひどいかゆみではないが、かいてほかの皮膚にうつさないように注意する。

予防

夏、かゆみを伴う皮膚病にかかったり、虫に刺されたとき、あるいは傷ができたときはすぐに治しておく。爪を切り、手を清潔にしておくことも大切である。
ひどいときは入浴は控えるが、シャワーはよい。ふだんから入浴、肌着の交換をこまめに行い、皮膚を清潔に保つように心がけることが大切である。

治療

適切な治療を行うと、とびひはすぐに治る。抗生物質が入った軟膏をガーゼにのばして患部に貼る。そのとき水ぶくれの汁が周囲につかないように気をつけなければならない。
なお、抗生物質を内服するほうが早く治る。薬や軟膏は選択が必要なので、素人判断をせず、医師の指示のもとに治療することが望ましい。
ほぼ1週間ほどで治るものだが、しばしば家族内の子どもに感染することがあるので気をつけたい。