子供

指しゃぶり

指しゃぶりは赤ちゃんにとって珍しいことではない。一般に生後一上一年の間に最も激しくなり、大半は3歳ごろまでに治ってしまう。

ごくふつうの意味でのくせのひとつと考えられるが、不十分な授乳や下の子の誕生、通園などのストレスがきっかけで始めることもある。それほど神経質にならず、ほかのものに関心を向けるようにすると、自然に治ることが多い。

夜尿症

3歳ごろまでは夜中におもらしをするのはふつうのことで、これは夜尿症とはいわない。しかし、4歳を過ぎて、ほかにからだの異常がないのに夜中に尿をもらす場合は夜尿症である。

原因

原因はいろいろある。下に赤ちゃんができてから急におもらしをしはじめることもあり、これは欲求不満のひとつのあらわれである。

また、夜間腎臓の働きがよくなって尿をたくさん出す体質や、膀胱容量が少ない場合、さらには膀胱容量と夜間尿とも正常な場合、寒い場合などにもみられる。
いずれにしても小学校入学後はしだいに治るものなので、幼児期ではあまり気にしないこと。叱ったり、恥ずかしい思いをさせるのは逆効果である。

治療

夕食後は水分を控える、夜中にトイレにいかせるなどはよく使う方法だが必ずしも効果があるとはいえない。薬でも神経を緊張させる薬が効く場合と、逆に鎮静的に働く薬が効く場合とがある。

いずれにせよ入学前の幼児の夜尿は病気ではないので、あせらず、叱らず、起こさず、失敗しなかったらほめてやるなどの配慮が必要である。

チック

症状

意味もなく目をパチパチさせたり、肩をすくめたり、口を曲げたり、顔をしかめたり、という動作が突然起こり、無意識に頻繁に繰り返す状態をチックという。

5~10歳の男児に多くみられるが、子ども自身は意識せずにいるため、やめるように注意しても止まらないばかりか、よけいひどくなることがある。眠っている間は起こらない。

原因

神経の病気ではなく、潜在的な不安や欲求不満、寂しさ、周囲の人への嫌悪や反抗など心因性のものが原因となっている。性格的には落ち着きがなく、飽きっぽく、わがままで、かつ、神経質で、感じやすく、傷つきやすい気弱な子どもに多くみられる。また過保護で母親が口うるさい家庭の子どもが多い。

治療

原因を取り除けば、自然に治るものだが、実際に治すには時間がかかる。症状が出ても、制止したり、叱ったりしないで、逆にチックの動作を気にせずに対応し、子どもの心のなかにある不安は何かを素直に考えて、少しずつ解消するように努力することが大切である。

治りにくいときは、小児精神科の専門医の心理療法を受けたり、精神安定剤を用いたりする。脳波に異常のあるタイプもあるので、場合によっては脳波検査も必要となる。なお、幼児期(6歳以下)の場合は、一時的なもので、予後は良好である。