月経異常

過少月経・過多月経

1回の月経の出血量は約50ml程度で、献血(200~400ml)での血液採取量と比べると、健康な女性であれば、ほとんど負担になることはない。
月経の量は本人の感じに頼るしかないが、ただ、月経の出血は1日めが少なく、2日めから3日めにかけて多くなり、その後減少していくというのが一般的。

この場合、多い日が長く続くことを過多月経、少ないのを過少月経という。平均的な月経と比べて、多すぎたり、少なすぎたりという比較が役に立つ。

過少月経

希発月経と同様、無排卵性月経、子宮発育不全、子宮の萎縮などが原因とされている。
排卵に異常があればホルモン療法を行うが、卵巣や子宮に異常がなく、出血期間が短いだけの場合は治療する必要はない。

過多月経

原因は頻発月経と同様と考えられており、それぞれの治療が必要になってくる。
過多月経が続くと、貧血になり、動悸、息切れなどの症状が出てくる。

希発月経・頻発月経

月経周期日数は人によってさまざまだが、基本的な日数の数え方が違っている場合がある。正しい月経周期日数の数え方は、月経の始まった日を第1日とし、それから勘定して次の月経の始まる前日までをいう。正常な月経は周期日数が25~38日程度で、それより短いものを頻発月経、長いものを希発月経という。

頻発月経子宮外妊娠や流産など、妊娠に関係のある病気の疑いがある。妊娠と関係がない場合は、若い女性ではホルモンのアンバランス、中年以上の人では子宮筋瞳などが原因としてあげられる。

未発月経無排卵性月経(排卵がないにもかかわらず、月経のような出血が周期的にあり、思春期・更年期に多くみられる卵巣機能不全の一種)、子宮発育不全、子宮の萎縮などが原因としてあげられ、不妊を訴える人が多い。一般的に過少月経を伴うが、基礎体温をはかり、排卵が確実にあれば、あまり心配しなくてもよい。

続発性無月経

今まであった月経がなくなるのを続発性無月経という。妊娠や授乳期間、更年期後無月経になるのは当然である。

原因

最も多いのは、ホルモンの分泌障害によるもの。ストレスや環境の変化など精神的問題によって、一時的に機能が狂ってしまうこともある。
また、長期間過剰にホルモン剤を使ったために、間悩や視床下部、下垂体前葉に異変が生じて起こるものもある。最近問題となっているものとして、若い女性がやせたいために食事を制限することによって起こる無月経もある。

治療

一度でも月経があって止まった続発性無月経の大半は、自然に回復することが多い。しかし、治療が遅れると、子宮が小さくなったり、永久不妊になることもあるので、原因を確かめたうえで、早めに産婦人科で治療することが大切である。