鼻が詰まる・鼻汁が出る

慢性鼻炎

一般的に急性鼻炎を繰り返しているうちに慢性化するとみられているが、急性鼻炎の症状がないまま、慢性鼻炎になる場合もある。慢性鼻炎には鼻カタル、肥厚性鼻炎、く萎縮性鼻炎の3種類の鼻炎がある。

鼻カタル単純性鼻炎ともいい、鼻の粘膜が炎症によりはれている状態をいう。空気中のホコリなどが鼻の粘膜を刺激して、軽い感染症が持続した場合副鼻腔炎(蓄膿症)などが原因となる場合もある。
肥厚性鼻炎炎症によって粘膜の結合織が増殖した状態をいい、鼻の粘膜がゴツゴツとして厚ぼったい感じになる。鼻カタルとはっきりと区別できないことも多いが、肥厚性鼻炎は薬ではなかなか治癒しない。
慢性の感染が続いたときや鼻中隔湾曲症の非湾曲側のように刺激が強い場合に起こるが、体質的な原因も考えられる。

萎縮性鼻炎鼻の粘膜や骨がやせる病気で、鼻腔ががらんどうになるが、原因ははっきりしていない。最近ではまれな病気となっている。

症状

鼻カタルと肥厚性鼻炎の症状はほとんど同じで、鼻がつまって粘性の鼻汁が出る。鼻づまりは左右交互にあったり、眠ったとき下になった側の鼻の穴がつまったりする。肥厚性鼻炎のほうが鼻づまりなどの症状が重く、鼻がつまる側も一定している。萎縮性鼻炎は鼻が乾燥してかさぶたができ、ときどき悪臭がある。

治療

少しずつ炎症をしずめていくが、肥厚が強いときは粘膜を切除しなければならない。薬局で販売している血管収縮剤を含んだ点鼻薬は、鼻カタルの鼻づまりには有効だが、長期間、断続的に使用すると、肥厚性鼻炎になる可能性が高い。点鼻薬は1日1回以内、1週間使用したら1週間休むような使用方法が望ましい。萎縮性鼻炎の場合は鼻内を洗浄して清潔にし、ときには鼻内を狭くする手術を行うこともある。

急性鼻炎

症状

鼻のなかが乾いたような感じになり、続いてくしやみ、鼻汁、鼻づまりになる。鼻汁は、最初は水様性だが、しだいに粘性のものに変わり、さのうらに青緑色の膿性になる。同時に、のどの痛み、せき、たん、発熱、頭痛、しわがれ声、筋肉痛などの症状が出ることもある。

治療

内科医、または耳鼻科医の診察を受ける。耳鼻科では鼻やのどの粘膜をみて判断し、直接患部に薬を塗布するなどの処置を行う。ほかに鎮痛剤や解熱剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質なども用いる。

生活の注意

安静が第一だが、ただ寝ているだけではなく、鼻や咽喉に通した湿気・温度を保たなければならない。空気の清浄化や加温、加湿は多少の効果がある。