2014年 12月 の投稿一覧

耳垢栓塞

症状と原因

症状としては、耳の聞こえが悪くなったり、耳鳴りがすることとが多い。これは外耳道に皮膚の耳垢腺から分泌する分泌物や、フケなどが混ざって耳あかとなり、それが外耳道をふさいでしまうために起こるものである。
いつの間にか耳がふさがった感じがして、入浴したときなどに水分を含むと、耳あかがふくらんで痛みを感じることもある。

治療と予防

耳あかを取り除けばよいが、これは耳あかがやわらかい場合だけで、かたい場合に無理に取ろうとすると、鼓膜を破る危険性があるので絶対避けること。
耳鼻科医の診断を受けて、耳垢水と呼ばれる薬で耳あかをやわらかくしてから取り除いてもらうことである。耳あかは耳かき棒でとれるのがふつうなので、ふだんから耳あかをためないようにすることが耳垢栓塞の予防になる。

耳硬化症

中耳内にある耳小骨のひとつ、アブミ骨の硬化によって難聴となる病気。

症状

日本人には珍しい病気だが、遺伝的要素が強いといわれ、思春期に難聴となって発病することが多い。はじめは伝音系難聴で、しだいに感音系難聴に変化していくのが特徴。

原因

耳に入ってきた音は中耳内の鼓膜を振動させ、その振動を内耳の蝸牛に伝えているのが耳小骨である。この耳小骨は3つの骨でできているが、蛸牛とくっついているアブミ骨の接触している部分がかたくなり、振動がうまく伝わらなくなった結果、起きる。

治療

聴力検査をして診断し、伝音系難聴のときなら手術で回復する。手術はアブミ骨を取り除いて、そのかわりに人工的なアブミ骨に入れ替える。

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耳管狭窄滲出性中耳炎

超高層ビルのエレベーターに乗ったり、飛行機で急降下したときなどに、急に耳がふさがったように感じることがあるが、これは中耳腔と外気圧のアンバランスが原因となって起こる。
同様の症状が病変によって起こるもの耳管狭窄、狭窄のために中耳腔に分泌い物がたまったものを滲出性中耳炎という。

症状

耳内がふさがった感じがして自分の声が強く響いたり、または難聴になったり、耳鳴りを感じたりする。

原因

かぜなどで起きる炎症(耳管炎)、アデノイド増殖症、上咽頭のがんなどが原因となる。

診断と治療

診断としては、鼓膜の観察や聴力検査、鼻からカテーテルという管を入れて耳管の通り具合をみたりする。一般的には空気を中耳腔に送って通気をよくする通気法がとられる。滲出性中耳炎は、鼓膜を切開して分泌物を取り出すか、管を入れて液が外に出るように処置することになる。

応急処置

自分で簡単にできる通気法がある。鼻をつまんで鼻腔をふさぎ、ゴクンとつばを飲み込む。こうすると空気が耳に入るのがわかる。
この通気法を1日に何回も繰り返す。ただし、注意しなければならないのは、かぜをひいているとき。この場合には、耳管の炎症が中耳腔に及んで、中耳炎を起こす恐れもあるので、この通気法は行わないほうがよい。