2015年 の投稿一覧

多発性硬化症

神経繊維をおおっている 髄鞘 ( ずいしょう )が何かの原因で破壊され、それに伴ってさまざまな神経障害があらわれる病気である。10~60歳の人にみられ、とくに30歳前後の人に多いといわれる。北欧や北米などの寒冷地に多い難病で、これらの地域では日本の10倍以上の割合で発病している。

症状

大脳や小脳をはじめ、視神経、脊髄などいろいろな部分に障害があらわれるので、症状はその場所によって異なる。ただし一般には視神経の障害から始まることが多く、突然、片方の目が見えなくなる、物が二重に見えるといった症状があらわれる。

また、手足のまひやしびれがあらわれる場合もある。このほか障害が起きる場所によって、歩行困難やめまい、言語障害、排尿困難、けいれん、ふるえ、頭痛、筋肉痛など多彩な症状があらわれる。

原因

はっきりとした原因はわかっていない。アレルギーによるとの説が一般的だが、最近では、はしかウイルスが原因となっているとの説もあらわれている。

経過

症状が最初にあらわれてから数時間から数日の間は症状が悪化する。そして軽い場合には1週間から数週間で症状が消えることが多い。
しかし重症の場合には手足のまひや知覚の低下、視力消失など重い後遺症が残るので注意が必要である。また、これらの症状が何度も発作的に繰り返されることがあり、その場合発作は短ければ数か月、長ければ数年から十数年ごとにあらわれる。

診断

CT検査やMRI検査などが行われる。

治療

再発を繰り返して重い後遺症が残るのはおよそ10% 程度で、大部分は完治して再発しないか、日常生活に支障のない軽い後遺症が残る程度である。

なお、急性期には副腎皮質ホルモン剤などが治療に用いられる。また慢性の多発性硬化症は、リハビリテーションでからだの機能をかなり回復できる。

失語症

大脳の言語中枢神経に異常が起き、言葉を話すことができなくなる病気。単に言葉を話せなくなるだけでなく、文字を書く、言葉を理解するといった機能にまで障害が起きることが多い。

治療のためには、長期間にわたる組織的な言語訓練が必要になる。また精神の発達の遅れや聴覚障害、発語器官の障害などによって、子どもの言語発達が遅れることがあるが、この場合には重大な病気が原因になっていることが多いので、医師の診察を受けなければならない。

このほかの言語障害としては、言葉がつかえたり、同じ発音を繰り返すといったケースがある。こうした場合は精神的な要素が大きく影響しているので、会話の訓練とともに、心療内科などによる精神的な治療を行うと効果的である。

躁うつ病

明るく活動的な躁状態から、暗く落ち込んだうつ状態へ、あるいはその道の方向へと、感情が異常に揺れ動く病気である。精神分裂病がおもに理性的な面で障害があらわれるのに対し、こちらはおもに感情的な面にトラブルが生じる病気だといえる。

なお躁うつ病は、本来、躁とうつが交互にあらわれる病気をいうが、実際にはこうした症例は全体の1割 ほどしかない。また躁だけがあらわれる躁病は全体の約5%で、ほとんどはうつ状態だけがあらわれるうつ病である。

症状

躁状態のときには、朝早く起きだして、ふだんはやらない掃除や炊事をするなど動きまわり、また始終しゃべりつづけて同園の人にうるさがられるといった行動をとる。
また、ささいなことで腹を立てたり、興奮したりして1日中騒いでいながら、夜になっても寝ずに騒ぎ続けている場合もある。

一方、うつ状態では気分が落ち込むと同時に、行動力も低下することが多い。この傾向は、とくに午前中が著しく、午後から夜にかけてはいくぶん軽くなる。

また、感情の変化と同時に身体症状もあらわれ、不眠や食欲不振、頭痛、便秘などを訴えるようになる。なかでも多いのが不眠で、すぐに寝つけるが早く目が覚めてしまうという特徴がある。

なお多くの場合、躁状態が続くのは1~2二か月、うつ状態が続くのは3~4ヶ月ほどである。そして躁うつ状態、あるいは躁状態だけやうつ状態だけが1~2回繰り返して治るケースがある

原因

精神分裂病と同じく、体質人気質など、個人の内部的要因によって起きる病気と考えられる。

治療

薬物療法が中心になり、精神安定剤や抗うつ剤、睡眠剤、食欲増収剤などが症状に応じて用いられる。

サプリメント

セント・ジョーンズ・ワートは、黄色の小さな花が咲く多年草のハーブ、薬用植物です。軽度から中度のうつ病、うつに近い神経の状態に効果をあらわすといわれています。日本では「西洋オトギリソウ」ともよばれます。