2016年 5月 の投稿一覧

子宮下垂・子宮脱

症状と現任

直立歩行している人間は、動物と違って骨盤の下の穴から内臓がおりてこないように、筋肉や結合組織で内臓を支えているが、この支える力が弱まると子宮が下がってくることがある。

子どもをたくさん産んだ人、出産のあとあまり休養をとらないで肉体労働をした人などに起こりやすい病気だが、筋肉や結合組織が先天的に弱い人もいるため、1一回の出産で子宮が下がることもある。胎児は出産のとき、骨盤の穴を通り、筋肉や結合組織をかき分けて出てくるが、そのときにそれらの筋肉が傷ついたり、のぴたりすると、ゆるんだ穴から内臓がおりてくることになる。

最初に下がってくるのが子宮で、この状態を子宮下垂といい、また、同時に膀胱や直腸も下がってくる。これが悪化すると、子宮が膣からとび出してしまう子宮脱となる。

治療

子宮脱となると歩行にもさしつかえ、尿の出も悪くなるため、手術しなければならない。手術は、脱出した子宮を切り取ってしまう場合と、ゆるんだ組織を縫合して子宮を腹部につりあげる場合がある。

生活の注意

出産のあと、十分に休養をとり、骨盤の底の筋肉(肛門や膣口のまわりの筋肉)を収縮させる運動を行うことが、子宮下垂、子宮脱の予防になる。

子宮後屈

子宮は骨盤のほぼ中央にあり、前方、つまり恥骨側に傾いているのがふつうだが、人によっては子宮が後方に曲がっていることがある。こうした状態を子宮後屈という。

しかし、まったく正常な女性の子宮でも、後ろに傾いた後傾後屈の場合が少なくなく、ふつうに妊娠・出産を経験している。昔は不妊症や流産の原因になるといわれていたが、現在ではその疑いはない。

したがって、ただ単に子宮が後屈しているというだけで病気であるとしたり、後屈を治すために手術をするということはない。流産や不妊症と後屈との因果関係はないのである。また、腰が痛い人の子宮後屈を手術しても腰痛が治るわけではない。

月経困難症

症状

月経の期間中、日常生活に支障をきたすようなひどい下腹部痛、腰痛、片頭痛を伴うものを月経困難症という。月経の出血量は、月経が始まってから2~3日めが最も多いが、とくに思春期や若い女性の場合、締めつけられるように腹部が痛くなることがある。こうした痛みは子宮が血のかたまりを押し出そうとするときに起こるもので、血のかたまりが子宮から出てしまったり、出血が少なくなったりすると治ることが多い。

また、35歳くらいを過ぎて起こる月経痛もある。若い時期にはなかった人、あるいは、あってもそうひどくなかった月経痛が中年以降に強くなれば、子宮筋腫か子宮内膜症の疑いがある。子宮筋腫であれば手術しなければならないが、子宮内膜症の場合、初期であれば薬で治るため、早期に医師の診察を受ける必要がある。

原因

これは月経前緊張症と同様、排卵があったあとの月経のときに起こるもので、初潮が始まって2~3年は経験せず、排卵が始まって起こることが多い。そのため、こうした月経痛が起こるようになれば、卵巣の働きが完成したとみることもできる。

治療

症状がひどい場合は、鎮痛剤を飲むこともよいが、こうした症状はやせ型の人、神経質な人などに多いため、ふだんから十分な栄養を摂取して運動などをしていると自然に治ることがある。特別な異常の発見されない機能性のものもある。
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