褒められたい心理がギャンブルを強く求める

いずれの嗜癖行動にも、「褒める自分」と「褒められる自分」という1人2役の状態をより意図的につくってくれるという効果があり、それがひとつの魅力になっています。

ギャンブルでいうなら、「仕事ではあまりうだつが上がらないけれど、ギャンブルではこんなカを持っているのだから、オレはスゴイ!」と酔わせてくれるのです。ギャンブル限らずなにかはまる依存症タイプは、基本的に周囲の人に評価してほしいという気持ちを強く持っています。甘ったれているといえば、甘ったれているかもしれません。

「頑張っているのはあなただけじゃない。みんな褒めてほしいんだ」という非難はもっともですが、それでも褒めてもらいたいのです。

日常でも自分で自分を励ます場面はよくありますが、励まし方がさほど強くはありしらふません。素面だと褒めている自分と褒められている自分という一人二役をこなすのが気恥ずかしくて、強く褒められないのです。

ところが、ギャンブルでもアルコールでも薬物でも、のめり込む嗜癖はみな気恥ずかしくなく胸を張って自分を褒めるチャンスをつくってくれます。

ギャンブルで勝利に酔っている瞬間、アルコールや薬物に溺れているときは、素面のときの自分とは確実に離れていますから、感覚が麻痔して1人2役が自然にこなせて自分で自分を素直に褒め倒せるのです。この「褒められたい」という欲求を満たしたいという思いが、依存症に走らせるひとつの要因になっています。

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