感謝の手紙では「謝るべきことを謝っておく」ことがポイントであり、その謝罪を相手が受け入れるかどうかは重要ではありません。謝罪を受け入れるかどうかは自分でコントロールできることではなく、相手次第だからです。
たとえ「いまさらなにをいってるんだ! おまえなんか死ぬまで許さない」などという手紙を受けとったとしても、それは相手の気持ちなのでどうしようもありません。そんなとき私はに「相手の人間的な器量が狭いだけだと思うようにしましょう。
謝るべきことは謝ったのですから胸を張ればいいのです。依存症者本人は迷惑をかけた両親や配偶者、親類縁者に許してもらおうと一生懸命ですが、許してもらえないことがほとんどです。それだけのことをしてきたのですから。「ごめんなさい」と頭を下げて謝ったら「わかった、許すよ」といってほしいものですが、それを求めるといつまでたっても回復の糸口が見つかりません。
このことを少々飛躍して考えてみましょう。「許す」「許さない」は神仏のみぞできること。欠点だらけの人間どときが、他人を「許す」も「許さない」もないのです。それでも許しを求めたいのなら、医療や道徳ではなく宗教に頼ってもらうしかありません。
仏教にでもキリスト教にでも入信し、ひたすら祈って神様、仏様に許しを求めるほかないのです。もし謝った相手がそれで「許すよ」といってくれたら、「あの人は人間的なレベルの高い人だなあ」とにっこり笑って感謝すればよいのです。