今度やったら今度こそ「離婚する」「別れる」は甘えさせるだけ

夫のギャンブル依存症で困っている妻のなかには、離婚届を書いてそれを歯止めにしてもらうという手を使う人もいます。

「あなたが今度ギャンブルに手を出したら、無条件で離婚します」などと一筆書き、日付を空欄にして夫に署名捺印してもらうのです。あとは妻が名前を書くだけで有効になるようにしておいて、金庫なりタンスなりにしまっておくという方法です。

ところが、夫が約束を破ってギャンブルに手を出したら実際に別れるかというと、そんなことはありません。

多くの依存症の方を見ているとこの方法で別れた実例はほとんどありません。本気で別れるつもりなら「別れたい」と思ったその日に役所にいって離婚届を出すなり、あるいは相手が「別れたくない」というならすぐに調停をかけないとダメです。

中途半端な脅しは、「どうせ別れないくせに」と依存症者に高をくくらせ、甘えさせるだけで依存症者の家族や周囲の人たちが、ギャンブルをやめられる状況をつくることは大切なことですが、それでもギャンブルを必要とする状況は周期的にやってきます。

そんなときに「今度やったら離婚するよ! 」という脅しは歯止めにならないのです。もしどうしても脅したいのなら、「ただちに自助グループへいけ! 病院へいけ!裁判所へいけ! もしいかないなら、私が具体的な行動をとってあなたの面目を丸つぶれにしてやる! 」と啖呵を切るくらいの覚悟がいります。

その場合、妻は夫と一緒にその泥を被る覚悟が不可欠。それくらい腹をくくって脅すのなら有効だと思いますが、行動をともわないただの脅しは相手に「まだまだ大丈夫だな」と思わせるだけです。

ですから、夫のギャンブルに悩む妻が離婚届をわざわざ書く必要はありません。「本当に別れたいと思ったら別れよう」と心に刻んでおけばそれでいいのです。中途半端な脅しを繰り返していると、依存症者は「自分は嫌われている。愛されてない。いつ離婚されるかわからないし、自分のことを認めてもらえてない」という不安と恐怖にさいなまれます。

すると家庭にいでも安らぎが得られませんから、ギャンブルに癒やしを求めるという、悪循環に陥ります。

妻にとっても、亭主が嘘をついてギャンブルをしていないかどうかを、うの目たかの目で見張る生活が続きますから、どちらも無用な緊張感と苦痛を味わうだけです。

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