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非自閉型の回復プロセス 内観療法について

もうひとつの内観療法とは、とてもシンプルです。次に掲げる「内観3項目」を幼少期から現在まで3歳刻みに自分のことを思い出していきます。

  1. してもらったこと
  2. 返したこと
  3. 迷惑をかけたこと

対象者は両親、配偶者、兄弟、子どもなどです。

この内観療法には「分散内観療法」と「集中内観療法」があります。分散内観療法は、期間をとくに定めることなく、毎日15~30分程度思い出し、治療者との面接時に定期的に報告してもらう方法です。

つい一方の集中内観療法は、1週間程度、病院や研修所などに泊まり込みます。衝立てでl m四方ほどの個室スペースをつくり、治療者以外との交流や音楽鑑賞などを禁止して、外部との交わりを遮断します。

面接は1回5分程度を2時間どとに1日計7回。治療者は患者が思い出したことをひたすら聞くだけで、コメントなどはしないようにします。

こうした内観療法では「3迷惑をかけたこと」を思い出すことで、罪悪感が強化されます。この場合の罪悪感は、はじめのうちは「どうせ自分が悪者なんだ」という被害者意識、もしくは自分を哀れむ「自己憐憫」が強い罪悪感(閉鎖的罪悪感) であるケースがほとんどです。

ところが「1してもらったこと」(被愛事実)を思い出していくと徐々に「すまなかった」という感謝をともなう開放的罪悪感に変化します。この俄悔心とも呼びたいような健康的な罪悪感を得ることで、安定した断ギャンブルへの移行が可能になるのです。

非自閉型の回復プロセスは自助グループ

こうした分析を踏まえると、非自閉型は自分を受け入れたうえで自己中心的な考え方や行動のパターンを修正していくことが根本的な解決法となります。

そのために有効なのは、自助グループへの参加と内観療法です。自助グループとは、同じ障害や悩みを持つ当事者や家族が自発的に集まり、独自の理念に基づいて活動する団体のことです。そもそもは1930年代に、アルコール依存症に悩む人たちがアメリカで立ち上げたものです。

実名を伏せて匿名(アノニマス)で活動することから「ギャンブラーズ・アノニマス」、その頭文字をとって「GA」と呼ばれます。GAは1957年にアメリカで発足し、日本では1989年に最初の団体が発足し、国内で現在100以上のグループが活動しています。

GAでは、普段は口にできない悩みをざっくばらんに話したり、同じ悩みを持つ人の話に黙って耳を傾けたりするだけで、内容についての助言や議論は行われません。素直に語り、その話を素直に聞いているうちに、他者を鏡として自分の内面がわかってくるので、それまでの自己中心的な考え方や行動のパターンに気づき、自分で修正していくことができるのです。

非自閉型は罪悪感や後悔が解消されない

ギャンブル依存症を解決するためには、「自閉型」か「非自閉型」かにかかわらず、欲望充足法で治療を行います。

そのうえで自閉型と非自閉型の特質にあわせて介入します。非自閉型のギャンブル依存症は、なにが自分をギャンブルへ向かわせているのかという動因(動機)を自覚しているのが特徴です。それは「負けをとり戻したい一心だった」「まわりに注目されるのがうれしかった」「嫌なことが忘れられた」といった当事者の発言にはっきりと表れています。

ギャンブルをしているとたまに勝ちますが、それが勝利欲や達成欲といった潜在的な目的を満たしてくれることで、ギャンブルから抜け出せない動機をつくります。

たまに勝って勝利欲や達成欲が満たされることで充足体験に関する記憶が強化され、それがギャンブル衝動をいっそう促進するからです。

非日自閉型は、断ギャンブルを試みた後でもギャンブルをしたいという衝動が衰えていません。「モヤモヤしたむなしさがある」「これ以上親を困らせてはいけないと思うと、かえってパチンコをしたくなる」など、根深いギャンブル衝動にかられてしまうのです。

そのため非自閉型は、単にギャンブルをやめているだけでは、罪悪感や後悔が心のなかでくすぶり続けており、それを打ち消すために自己否定と他者への攻撃性が高まります。それがギャンブル欲求を強めて再発のリスクとなるのです。