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乳児肝炎

本来は生後3ヶ月までに起こる閉塞性の黄痘だが、生後数日で起こる生理的黄痘に引き続いて発症することが多い。原因は、母体のもつ肝炎ウイルスの胎内感染、細菌、ウイルス、薬剤、原虫、母子の血液型不適合、先天奇形、肝機能不全(未熟)などであるが、最近は先天性代謝異常もある。

症状

黄痘のほか、白目が黄色になったり、便が灰白色になったり、尿が濃い黄色になったりする。食欲不振や不機嫌になることはあまりなく、ほとんどの場合、熟も出ない。

治療と予防

特別な治療法はないが、肝機能の向上と胆汁の分泌促進のために総合ビタミン剤や副腎皮質ホルモン剤などを用いる。乳児ではビタミンEやビタミンKも使われる。

急性肝炎(子供)

大人の急性肝炎はこちら

症状

全身がだるくなり、不機嫌で食欲が低下し、さらに吐きけがあり、発熱も伴うなどの症状で始まり、数日のうちに黄痘があらわれる。

子どもの場合、大人に比べて症状は一般に軽いが、まれに激しい症状を起こすこともある。これを劇症肝炎という。

原因

子どもの肝炎はほとんどがウィルスによるものだが、ウィルスの種類によって、経口感染する流行性肝炎(A型肝炎)と、輸血や母子感染(垂直感染)が原因となって起こる血清肝炎(B型・C型肝炎)、そのほかEBウィルス、風疹ウイルス、サイトメガロウィルスなどによるものもある。

治療

特効的な治療法はなく、十分な安静と食事療法、点滴輸液療法が行われる。食事療法では、嘔吐のために食事がとれないときは点滴によって栄養と水分を補給し、徐々におも湯や果汁などを与える。急性症状がとれるにつれて豆腐や白身の魚、卵、鶏のささ身など良質のたんばく質で、消化がよく、脂肪の少ないものを食べさせる。ふつうは、肝硬変に移行することはめったにない。しかし、慢性化すると治りにくくなるため、肝機能検査を定期的に受ける必要がある。

劇症肝炎

急性肝炎の経過中、症状があらわれてから8週間以内に強い肝機能障害に基づく脳症(傾眠・錯乱・譫妄・異常行動など)をはじめとする急性肝不全症状(黄疸・出血傾向など)が出現する。
また、血液が凝固するまでの時間をあらわすプロトロンビン時間(PT)検査の値が40%以下を示す場合を劇症肝炎という。

発病10日以内に脳症が出現する急性型と、それ以後に出現する亜急性型とがある。死亡率が80~90% と高く、運よく回復しても肝硬変になることが多い、たいへん恐ろしい病気である。

症状

劇症肝炎は、自覚症状がきわめて強いこと、激しい茸痘と著しい肝障害、神経症状があらわれることによって判断できる。とくに、黄疸が出てから1週間たっても強い倦怠感、食欲不振、吐き気、ガンコな頭痛、不眠などがある場合には劇症肝炎を疑ってみるべき。また発熱や筋肉痛、関節痛、腰痛などの全身柱状かある場合や、甘ずっぱい肝性口臭かある場合も注意か必要。

経過としては、黄痘がだんだん強くなり、そのうち精神異常があらわれて昏睡に陥る。この状態を肝性昏睡といい、肝臓の解毒作用が不安定なために起こる。
肝性昏睡はかなり特徴的で、劇症肝炎の重体度の指標となる。はじめは睡眠のリズムが逆転し、夜に眠れなくて星間寝たがり、性格が変わって投げやりになる、抑うつ状態になるなどの症状があらわれる。
この時期には肝性昏睡と判断できないことも多いが、しだいに日にちや場所を間違う、簡単な計算ができない、金銭をばらまく、大事なものを捨てるなどの異常行動を示し、そのうち鳥の羽ばたきに似た手の大きなふるえ(羽ばたき振戦があらわれ、外界の刺激に応じられなくなったり、眠ったような嗜眠状態となり、ついには意識が完全に消失する。

治療

劇症肝炎は、発病して1週間から10日間で80% が昏睡状態に陥ってしまうように、致命率がきわめて高い。

発病が疑われたら、できるだけ早期に適切な処置をすることが必要である。肝性昏睡の治療としては、交換輸血、人工肝補肋装置の使用、ステロイド(副腎皮質ホルモン)療法、グルカゴンインスリン療法、血漿交感などが行われている。