褒められたい心理がギャンブルを強く求める

いずれの嗜癖行動にも、「褒める自分」と「褒められる自分」という1人2役の状態をより意図的につくってくれるという効果があり、それがひとつの魅力になっています。

ギャンブルでいうなら、「仕事ではあまりうだつが上がらないけれど、ギャンブルではこんなカを持っているのだから、オレはスゴイ!」と酔わせてくれるのです。ギャンブル限らずなにかはまる依存症タイプは、基本的に周囲の人に評価してほしいという気持ちを強く持っています。甘ったれているといえば、甘ったれているかもしれません。

「頑張っているのはあなただけじゃない。みんな褒めてほしいんだ」という非難はもっともですが、それでも褒めてもらいたいのです。

日常でも自分で自分を励ます場面はよくありますが、励まし方がさほど強くはありしらふません。素面だと褒めている自分と褒められている自分という一人二役をこなすのが気恥ずかしくて、強く褒められないのです。

ところが、ギャンブルでもアルコールでも薬物でも、のめり込む嗜癖はみな気恥ずかしくなく胸を張って自分を褒めるチャンスをつくってくれます。

ギャンブルで勝利に酔っている瞬間、アルコールや薬物に溺れているときは、素面のときの自分とは確実に離れていますから、感覚が麻痔して1人2役が自然にこなせて自分で自分を素直に褒め倒せるのです。この「褒められたい」という欲求を満たしたいという思いが、依存症に走らせるひとつの要因になっています。

gambling

Recent Posts

子供には財産を残さない

親が「もうお手上げ」というメッ…

4年 ago

脅しには屈せず「もうお手上げ」のメッセージ

未成年者のネットやゲームの依存…

4年 ago

ネットやゲームに依存する子供のことが心配でならない

最近は、「ネット依存治療研究部…

4年 ago

プライドが高い高齢者の場合

高齢者に多い「人生の意味喪失型…

4年 ago

アホらしいと覚めた気持ちにならなければ夫婦でいましよう

互いに気持ちよく離婚できる人た…

4年 ago

「お世話欲」を適度に満たしながらつき合う

憎悪や怒りが軽減したら、次に「…

4年 ago