勝った!オレって天才 にいくらお金をつぎこむのか

ワークシートでは「ギャンブルの目的=欲望」を重要な順番に並べてもらいます。

欲望が複数あり、たとえば、第1位が勝利欲、第2位が金銭欲、第3位が名誉欲だったとします。その場合はいちばん求めたい欲望、優先順位の高いものだけに狙いを絞ってギャンブルをしてもらいます。

勝利欲なら勝利欲、金銭欲なら金銭欲、名誉欲なら名誉欲をとことん追求してギャンブルをしてもらうのです。金銭欲に徹するとたいていプラスマイナスゼロくらいで収まるのですが、勝利欲や名誉欲を追求するためのギャンブルだと結果的にマイナスが多くなります。

あらゆるギャンブルは勝つ確率よりも負ける確率のはうが高いもの。そうでないと、ビジネスとして成り立ちません。仮にあるギャンブルに勝つ確率を10分の1 とすると、残りの10分の9 は負けてしまうわけですから、勝利欲を満たすためには結果的にマイナスが多くなるに決まっています。

つまり勝利にこだわるギャンブルでは、金銭的な損失が大きくなると覚悟するしかないのです。ただそれがいちばんの楽しみなら仕方ありません。週2回、1回1万円の軍資金でパチンコ店に通うとしたら、かかるコストは月8万円です。

そのうちの1回くらいは勝つ喜びを味わえるでしょう。それに感謝できるかどうかです。依存症の人は毎日ギャンブルをしようとしますが、勝つ喜びを得たいがためにギャンブルをするなら、それを月1 回ペースで味わえばいいと割り切るしかありません。

10回に1回しか勝てないのだとしたら、毎日通っていたら返済できない借金を背負い込むのが明らかだからです。求めたいのが勝利欲や名誉欲だとしたら、そのためにつぎ込める自分の小遣いを考えて通う回数をセーブすべき。結果的につぎ込んだお金は全部消えてしまって金銭欲は満たせませんが、その人にとっては金銭欲より勝利欲や名誉欲のほうが大事であり、レジャーであり道楽になっているのですから、なんの問題もないわけです。

酒好きでスナック通いが習慣になっている人も1回1万円前後はかかりますから、ギャンブルで1回1万円を失うのはさしたる問題とはいえません。ギャンブルで純粋忙勝つ喜びと名誉を味わいたいのだとしたらそれだけに徹するといいのですが、少し考えると勝利欲や名誉欲を味わうための必要資金としてはお金がかかりすぎていると気がつきます。

そこでこちら側から「もうちょっと安い資金で同じ感覚を味わえませんか」という疑問をぶつけます。「勝った! 」「やった! 」「オレはやっばりすごい! 」という勝利欲や名誉欲を味わうため、毎月8万円もかけているのは多すぎませんかという結論です。

代替方法を見つける

「ギャンブルの目的=欲望」を重要な順番に並べてもらったら、「それぞれの目的を果たすためにどのような工夫や努力をしてきましたか? 」と聞き出します。そう聞いても、大半の方はただ闇雲にギャンブルをしているだけ。「小遣い(遊興費等) 稼ぎのため」「生活費稼ぎのため」「借金返済のため」といった目的を上位に置く方がほとんどですが、プロのギャンブラー以外の大多数にほ、金銭欲を満たすためのギャンブルは困難ですし、お金を増やすための工夫や努力はアルバイトなどギャンブル以外にいくらでもあります。

この問いは凝虫申ため臨ギ幣ンぎ兆をb ているといいなが島、轟鈍釈奄満た登うとしでいる泥捗で陳ないLとい藩現状奄改め芯綾取しで各島うためのもの准ので黎怨したがって「目的は果たされましたか? 」という問いでは、多くの方が「お金のためにギャンブルをしていると言いながら、「金銭欲を満たそうとしているだけではない」という現状を改めて確認してもらうためのものなのです。

したがって「目的は果たされましたか?」という問いでは多くの方が「はたされてない」という答えになります。

そこで、続く問いでは「さまざまな工夫を試みたにもかかわらず、目的が果たせなくなった理由」を訊ねています。ワークシートにあるように、その理由は「ギャンブルそのものが目的を達成する手段としては不適切なものになってしまった」か「複数の目的を求めたために結果としてそれぞれの達成度が中途半端なものになった」かのどちらかです。

ギャンブルが欲望達成の手段として不適切なものになっているのなら、目的を達成するためのギャンブル以外の代替方法を探します。

金銭欲なら金銭欲、勝利欲なら勝利欲を果たすための、ギャンブル以外の適切な方法を見つけるのです。複数の目的を求めたために結果としてそれぞれの達成度が中途半端なものになったというのなら、目的をひとつに絞ってギャンブルをします。同時に外した目的を達成するために代替方法を探します。いずれにしても、ギャンブル以外の方法で自分の欲望を満たす手段を探していくこのプロセスこそが、欲望充足法の特徴です。

ギャンブルをやめなくてもいい

たとえギャンブルで大借金をこしらえたとしても、「あなたのギャンブル勘は保たれています。複数の欲望を追い求めるあまり、一時的にその優れたギャンブル勘が働かなくなっているだけですよ」と繰り返し伝えます。

ここで本人の自尊心が傷ついて自己価値観が落ちると自暴自棄となり、治療に対して前向きになれないからです。これまでの疾患モデルでは、「ギャンブルにブレーキをかけられなくなったあなたは、ギャンブラーとして失格です。賭け事はもうおしまいにしましょうね。あなたはギャンブルをはじめたら最後、またとことんやってしまうような脳に変わってしまっているのです」などと説明してギャンブルを禁止していました。

脳内でなんらかの変化が起きていることは事実ですが、それをギャンブルをやめさせる目的で本人に伝えても「自分はダメだ」と自己価値観が落ちるだけ。ですから、まずは「ギャンブルする能力は落ちていません。他の欲望がそれを邪魔しないように、お金を増やすためだけに徹してください」と助言しますじ決してギャンブルを禁止しないのです。

もしギャンブルの目的が金銭欲のみであり、純粋に返済のためにギャンブルをしているとしたら、「借金返済に徹したギャンブルをしてください」とアドバイスします。

そして「目にもの見せてやる」とか「勝って終わりたい」とか「はじめた以上は徹底的にやる」といった他の欲望はみんな捨てるように助言するのです。ただし「それができますか?」と聞くと、多くの人は「それじゃあ面白くない」といいます。確かにプロのギャンブラーやパチプロの話を聞いたり本を読んだりしても、金銭欲に徹するギャンブルは仕事ですから全然面白くないらしいです。プロのギャンブラーは仕事としてギャンブルをして、そこに面白みを求めない代わりに、稼いだお金でリゾート地でくつろぐなど、ギャンブル以外で楽しみを求めるのです。

最初は「借金返済」「生活費稼ぎ」など「お金のため」といいながら、突き詰めると「お金のためにやるのはつまらない」と語るのはギャンブルに金銭欲以外のものを求めている証拠です。
最初は生活費、小遣い稼ぎ、学費稼ぎなど金銭欲に徹するギャンブルをしていたかもしれまんが、いつのまにか他の欲望が入り混んでしまうのです。