多動症候群

症状

子どもが身体的にも精神的にも極端に活動的な状態を多動という。症状としては、長時間注意を集中させられず、かんしゃくを起こしやすくなる。
また、エネルギーが旦署田なので、あまり眠らず、動きまわる。多くの場合、9~12歳ごろになると症状は減少する。

原因と治療

分娩障害やビタミン不足などのため脳にわずかな傷があるという説や、正常な行動の極端な例にすぎないという説などがある。
早期に医師に相談する。治療が必要なケースもあるが、まずは家族が理解と寛容を示すことが大切である。

異食症

ティッシュペーパーや新聞紙、砂、自分の髪の毛など、食べ物でないものを食べる状態を異食症という。家庭環境としては、親のしつけが厳しい、年上のきょうだいなどがオモチャなどを奪って圧倒する、などの場合が多く、本人は萎縮してしまって、のびのびと動けない状態になっている。環境が原因なので、子どもらしくのびのびと生活できる環境をつくってやることが何よりも大切である。

どもり

言葉がなめらかに出てこない状態で、2歳半から3歳にかけての子どもは、どもりやすい傾向にある。この時期のどもりは、話したいことがたくさんあるのに表現能力がついていかないことが原因。

歩きはじめの子どもが転びやすいのと同じなので、周囲が神奴杜質になって言い直させたり、不安そうに見たりしてはいけない。

子どもがいえた範囲内のことを確認してやるようにすると、2~3ヶ月の間に徐々に改善されることが多い。始語期の吃音が幼児期まで続いたり、再発することもある。

これは心理的発達と関係があり、子どもが緊張した生活をしているひとつのサイン。チックの場合と同じような家庭環境でみられるものである。母子関係の改善が必要で、注意したり、叱ったり、からかったりすると固定化したり悪化してしまう。慢性化したら、専門医による遊戯療法などの治療が必要である。

小児自閉症

2歳ごろからはっきりわかる場合が多く、自分だけの世界に閉じこもり、周囲の人たちに対する関心が薄く、人間的交流をもちたがらないなどのほか、言語発達の遅れ、会話でのオウム返しなど独特な病的精神状態のことをいう。

症状

まわりの人が話しかけても返事をしない(これで初めて異常に気づくことがある)、何か特定のものに関して異常な関心や執着をもち、それに熱中し、他人が介入したり中止させようとしたりすると、激しく抵抗して、パニック状態に陥る、などの症状がみられる。

原因

以前は、生まれつきまたは心因説が優勢だったが、最近では脳の発達障害と考えられるようになった。

治療

小児精神科の専門医の協力を得て、学習の困難と行動上の問題を解決していく必要がある。

性器いじり

男子と女子を問わず、3~5歳ごろにかけてしばしばみられるものだが、ほとんどの子どもは外遊びや幼稚園の生活が楽しくなり、遊びに熱中するようになると自然にやめてしまう。

したがってそれほど大騒ぎしないほうがよい。このために性的に早熟になるようなことはなく、汚れた手で触れて泌尿器に炎症を起こすわずかな例を除いて、実害はあまりない。

治療

性器いじりを始めたら、遊び相手がいなかったり、遊び場に不自由したりして手持ちぶさたの状態にならないように、遊びの機会をつくってやることが先決である。
また外陰部にアトピー性皮膚炎などがあるためにいじることもある。この場合には、その治僚が必要となる。、ただ、精神発達遅滞児などの場合は、なかなか性器いじりをやめないことがある。一度、小児科医に相談してアドバイスを受けるようにしたい。

爪かみ

指しゃぶりをする年齢よりも高くなるにつれて多くみられる。指しゃぶりを無理にやめさせた場合などにはその反動としてあらわれることもあるが指しゃぶりと同様、なんらかの不安や不満が原因と考えられる。

緊張したりイライラしたりするとひどくなって、深爪になることもある。家庭での対応としては、いらだちなどの原因を探り、解消してやることが大切である。また、爪はいつも短くきれいに保っておくことも忘れてはならない。

指しゃぶり

指しゃぶりは赤ちゃんにとって珍しいことではない。一般に生後一上一年の間に最も激しくなり、大半は3歳ごろまでに治ってしまう。

ごくふつうの意味でのくせのひとつと考えられるが、不十分な授乳や下の子の誕生、通園などのストレスがきっかけで始めることもある。それほど神経質にならず、ほかのものに関心を向けるようにすると、自然に治ることが多い。

夜尿症

3歳ごろまでは夜中におもらしをするのはふつうのことで、これは夜尿症とはいわない。しかし、4歳を過ぎて、ほかにからだの異常がないのに夜中に尿をもらす場合は夜尿症である。

原因

原因はいろいろある。下に赤ちゃんができてから急におもらしをしはじめることもあり、これは欲求不満のひとつのあらわれである。

また、夜間腎臓の働きがよくなって尿をたくさん出す体質や、膀胱容量が少ない場合、さらには膀胱容量と夜間尿とも正常な場合、寒い場合などにもみられる。
いずれにしても小学校入学後はしだいに治るものなので、幼児期ではあまり気にしないこと。叱ったり、恥ずかしい思いをさせるのは逆効果である。

治療

夕食後は水分を控える、夜中にトイレにいかせるなどはよく使う方法だが必ずしも効果があるとはいえない。薬でも神経を緊張させる薬が効く場合と、逆に鎮静的に働く薬が効く場合とがある。

いずれにせよ入学前の幼児の夜尿は病気ではないので、あせらず、叱らず、起こさず、失敗しなかったらほめてやるなどの配慮が必要である。

チック

症状

意味もなく目をパチパチさせたり、肩をすくめたり、口を曲げたり、顔をしかめたり、という動作が突然起こり、無意識に頻繁に繰り返す状態をチックという。

5~10歳の男児に多くみられるが、子ども自身は意識せずにいるため、やめるように注意しても止まらないばかりか、よけいひどくなることがある。眠っている間は起こらない。

原因

神経の病気ではなく、潜在的な不安や欲求不満、寂しさ、周囲の人への嫌悪や反抗など心因性のものが原因となっている。性格的には落ち着きがなく、飽きっぽく、わがままで、かつ、神経質で、感じやすく、傷つきやすい気弱な子どもに多くみられる。また過保護で母親が口うるさい家庭の子どもが多い。

治療

原因を取り除けば、自然に治るものだが、実際に治すには時間がかかる。症状が出ても、制止したり、叱ったりしないで、逆にチックの動作を気にせずに対応し、子どもの心のなかにある不安は何かを素直に考えて、少しずつ解消するように努力することが大切である。

治りにくいときは、小児精神科の専門医の心理療法を受けたり、精神安定剤を用いたりする。脳波に異常のあるタイプもあるので、場合によっては脳波検査も必要となる。なお、幼児期(6歳以下)の場合は、一時的なもので、予後は良好である。

夜驚症

男子に多くみられるもので、3~6歳で発症し、多くは2~3年で自然におさまる。睡眠中に突然、激しく泣きだしたり、起き上がって部屋のなかを歩きまわったりする。汗をかき、脈も速くなる。だいたい数分間でおさまり、すぐ眠ってしまうが、本人は覚えていない。

ふつうの夜泣きは、空腹やオムツの汚れ、怖い夢を見たことなどが原因だが、夜驚症の場合には、昼間の精神的興奮や、緊張、ショックなどが原因となって起こることが多い。多くは年とともに自然に治るものである。

ただし、けいれんを伴っていたら、一度検査を受けるとよい。家庭での対応としては、夜、深く眠れるように工夫して、泣きだしたら叱らずに、やさしく抱いて安心させること。また、夢中遊行時のケガには十分注意する必要がある。