腸重積症

2歳以下の乳幼児、なかでも、生後3~12ヶ月ごろの男児がかかる率が高い。夏季や冬季に多くみられる。

症状

急に発病、腹痛のため激しく泣き、嘔吐、血便がみられる(三主徴)。

顔は蒼白となり、足を縮めて泣くこともあるが、発病後まもないときや、痛みによる発作と発作の間は、一見、健康そうで正常に戻ったように見えることがある(間欠的)。

痛みには比較的、鈍い1歳未満の子どもの場合は、痛みうより不機嫌、噂泣(泣き叫ぶ)、顔面蒼白などがおもな症状であることが多い。主徴のひとつの粘血便については、排便のない場合、浣腸をして確認する必要がある。ただし、家庭で行うのではなく、医師にまかせること。年長児では再発がしばしばみられる。

原因

腸管の一部が下部の腸管に入り込むもので、一種の腸閉塞(イレウス)の状態である。腸管のどの部分でも起こるが、最も多いのは生理的によかいもうく動く回盲結腸部で、全体の70~80% を占めている。

原因としてはウィルス感染による腸間膜リンパ節のはれや、腸閉リンパ濾胞の増殖、腸閉運動の変化などが考えられる。時間がたつと、はまり込んだ部分の血液の循環が悪くなり、腐って破れたり、腹膜炎を起こすこともあるため、早めの処置が必要。

治療

手遅れになると生命にかかわる。疑わしいときはすぐに医師の診察を受ける。軽症なら、肛門からバリウムを注入する高圧浣腸によって腸はもとに戻る。重症の場合には、早急な開腹手術が必要となる。

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