乳児の発達が遅い

ダウン症

症状

ダウン症 では、精神発達の遅れがあり、顔つき、からだつきに異常があらわれる。とくに目立つのが顔つきで、丸い顔に細くつり上がった目、低い鼻(鞍鼻)、小さく厚い唇と大きな舌が特徴。
このほか、首が短い、後頭部扁平、耳の奇形、幅広く短い手指、指紋・足紋の異常などもみられる。

新生児期には泣き声が弱々しく、補入力も弱い。心臓疾患やてんかん、白血病を合併することも多く、手足の筋肉は弱く、やわらかい。性質は一般におとなしいが、生活はある程度ふつうにできる。

原因

常染色体の21番めが3本あり、計45五本の常染色体により発症するものが90% 以上を占める。約1000人に1人の発生頻度で、父親や母親の妊娠時の年齢が高くなるほど発症率も高くなる。
母親の年齢が20~30歳では約2000人に1人、35~39歳では約370人に1人、40歳以上では約100人に1人の割合で発症し、45歳になると急激に増え、約40人に1人となる。
また、一度 ダウン症 の子どもが産まれた場合、次の子どもにも約100人に1人の割合で染色体異常があらわれる危険性があるとされている。したがって、次の子の妊娠の前には、その危険性について、専門医の説明を受けることも忘れてはならない。高齢妊婦には羊水穿刺による出生前診断を行うことをすすめる。

治療

生まれてすぐに診断がつくことが多いが、残念なことに根本的な治療法はない。平均知能指数30~70で年齢とともに低下の傾向がみられるが、個人差は大きい。最近では、発育・発達の遅れを防ぐため、新生児期のうちからリハビリテーションなどの特殊な教育が行われている。

家族の対応

わが子が ダウン症 であるというショックから早く立ち直り、積極的に養育に取り組むことが、子どもの発達を肋ける。大切なことは、あきらめずに、専門医とじゅうぶん相談したうえ、その指導のもとで子どもの程度に応じて、もっている能力を伸ばすようにつとめることである。

水頭症

脳脊髄液の産生過剰、脳脊髄液路の閉鎖または狭窄により、脳の中心部の脳室に髄液がたまる病気。

症状

生後1~2ヶ月から頭囲がどんどん大きくなり、脳実質が圧迫損傷されて、発育発達が妨げられる。首のすわりやお座りが遅れ、手足のまひやけいれん、知能障害も起こる。
頭部が異常に大きくなる場合は早期に検査を受けることが大切である。

治療

Ⅹ線CTやMRIなどの検査で脳室拡大の有無を調べる。拡大があればチューブを入れ、脳室の余分な髄液を腹腔など、からだのほかの部位に流すシャント手術を行う。

ホモシスチン尿症

先天性のアミノ酸代謝異常による病気のひとつ。皮膚・毛髪・目の異常、けいれんのほか、血管に血栓をつくったり、細長い手足になるなどの症状がみられる。
マススクリーニング検査によって早期発見が可能。特殊ミルク、またはビタミンB6を用いることによって、症状の出現は予防できる。