けいれん

脳性小児麻痺

胎内や出生後の脳の発達過程に生じた脳障害の結果、半永久的ではあるが、それ以上は症状が悪化しない運動障害を起こしたものをいう。頻度はだいたい五500人に1人といわれている。

まひの起こる部位は一定していないで、一肢だけのもの、両側下肢だけのもの、片側上下肢のもの、両側下肢と片側上肢のもの、四肢全部のものなどいろいろある。

症状

周囲への注視があまりみられず四肢の緊張が著しく低下していたり、あるいはかたくなっていたり、また発達の遅れも目立ってくる。
一般には、首のすわりが遅い、哺乳力が弱い、驚きやすい、手の動きが悪いなどの症状が目立つうちに、しだいに手足がかたくこわぱったり、意思とは関係のない奇妙な動作をするようになる。
なかには、てんかん発作、知覚・知能・言語・情緒などの障害がみられることもある。さらに眼球運動の異常(斜視、眼球の上転・下転など)、虫歯の傾向、激しぜんめいいやせ、喘鳴、肺炎にかかりやすい傾向などの症状もみられる。
ただし、知能障害やけいれんはない場合もある。

原因

原因には、出生前後の脳の循環障害(妊娠中毒症・子癇・仮死など)、低酸素症、あるいは新生児重症黄痘などがあるが、未熟児や長びいた分娩、早期破水、胎盤異常に伴う分娩時異常なども誘因となる。
さらに、脳の形成異常や低血糖症、高尿酸血症などの代謝異常、妊娠初期における風疹やトキソブラズマの感染、薬剤の影響、難産による頭蓋内出血、脳炎、髄膜炎、頭部外傷などによって起こることもあり、原因不明の場合も多い。

早期発見法

早期発見による早期治療が大切で、それにはまず、出生時に未熟児であったり、黄疸が強い、なかなか泣かない、けいれんが起きた、などの異常がみられた乳幼児の場合には、特別注意を払わなければならない。また、運動の遅れの有無、筋肉のかたさ、からだがそり返っていないかなどをチェックし、さらに、授乳中や物を食べるときの姿勢や舌の動きがおかしくないかどうかもよく観察する。

治療

運動機能訓練とマッサージ、合併しやすい疾患に対する治療を行う。筋肉の硬直がひどいときには、手術で腱を切り、手足が動きやすいようにする。また、薬によって筋の緊張や不随意運動を抑える方法もある。この病気の子どもに対しては、医療、訓練、心理的カウンセリングなどを総合的に行う施設があり、経費の補助も得られるようになってきているので、これらを利用して、子どもや家庭を少しでも明るく、幸せにするように前向きに考えることが大切である。

過換気症候群

呼吸器、循環器、脳神経系などにとくに異常がないのに、発作的に呼吸数が増加し、呼吸困難、めまい、手足のしびれ、けいれんなどの症状が起こる。

原因は過呼吸による血液中の二酸化炭素不足(酸素過剰)で、ちょうど酸素ボンベの酸素を吸いすぎて息苦しくなるのに似ている。呼吸を止めたり、ビニール袋を口に当てて何度か呼吸して、酸素の補給を減らすと落ち着く。思春期ころからの女子に多く、不安や緊張などが影響しているといわれる。

テタニー(低カルシウム血症)

血清カルシウムの低下によって起こる病気で、新生児テタニー、ビタミンD欠乏症や副甲状腺機能低下によるテタニー、腎障害・過呼吸・嘔吐などによる血中の酸とアルカリのバランス障害が原因となっているテタニーなどがある。

症状の原因

意識障害を伴わない上肢中心のけいれんで、「助産婦の手位」と呼ばれる特有の手の格好をするのが特徴である。新生児がかかる新生児テタニーは、発病時期により、出生直後のテタニーと、古典的新生児テタニーとの2つに分けられる。
新生児、とくに未熟児は出生後に血清カルシウムが一時的に低下することが多く、それに伴ってテタニー症状を起こす場合があり、これを出生直後のテタニーという。おもに生後数分から36時間に起こる。糖尿病の母親から生まれる子に多いが、帝王切開で生まれた子どもや未熟児にも起こりやすい。古典的新生児テタニーは、母乳栄養児にはなく、人工栄養児に限ってみられるもので、生後第1週の終わりから2~3週ごろに発病する。

テタニーの治療にはカルシウムの静脈注射が行われる。

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