鼻汁・鼻づまり・鼻血

アデノイド

アデノイド(咽頭扁桃)とは、鼻の奥とのどの移行部にあるリンパ組織で、生体の感染防御の一役をになっている。年齢によって大きさが変わり、4~5歳で最大となり、以後、徐々に縮小する。10歳を過ぎると急速に小さくなり、青年期には痕跡となる。

症状

アデノイドが肥大すると、鼻の奥がふさがるために鼻で呼吸することができず、口をポカンと開けて口だけで呼吸したり、いびきが強くなったりする。

いびきは体位で変化し横向きで小さくなる。睡眠時は規則正しい呼吸ができず、一時呼吸が止まり、次いで大きく苦しそうな深呼吸をすることこうnかいが多い。

口蓋、あご、歯などにも変化が起こり、表情の乏しい、ぼんやりした顔つき(アデノイド顔貌)になる。睡眠不足のため、なかには、注意力散漫、落ち着きがない、根気がない、記憶力低下、学業成績低下、夜尿などがみられる子どももいる。さらに、喚覚・味覚障害、こもった鼻声で発音がはっきりしないなどの症状もみられる。港出性中耳炎、反復性中耳炎になりやすく、難聴の原因にもなるので気をつけたい。また、副鼻腔炎を伴うことが多い。

原因

大はふつう3~7歳の幼児で問題となる。先天性の素因やかぜを繰り返しひくことが原因でアデノイドが異常に大きくなっていき、その結果、いろいろな障害があらわれてくる。

治療

アデノイド症状がはっきりしている場合は、耳鼻咽喉科で手術して取り除くのが最善の治療法である。口から器械を入れて切り取るが、5日前後の入院が必要である。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性の病気のなかで最も多いのがこの病気である。1年を通して症状の出る通年型と、花粉症などのように特定の季節に出る季節型があるが、小児の場合、通年型が多いが、最近は花粉症などの季節型が増えている。アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくと合併する場合や、症状が変わっていく場合が多い。

症状

おもに、くしゃみ、水様性鼻みず、鼻づまりがあるが、鼻やのどのかゆみ、目の充血やかゆみなどを伴うこともある。また、鼻の粘膜がうっ血しやすいので、鼻血が出やすくなる。小児は成人に比べ、一般に症状は軽い。

原因

アレルギー体質から起こるもので、ホコリ、ダニ、花粉、カビ、動物などの毛、食べ物などがおもな原因。季節型は、春先のスギ花粉、秋のブタクサ、ススキ花粉などで、通年型は、カビ、家のなかのホコリなどで起こる。

診断

鼻汁の細胞のなかの好酸球の増加状態を調べたり、血液によるRAST法、皮膚を少しひっかいて、そこにエキスをつけて反応を調べるスクラッチテスト、少量のアレルゲンエキスを皮下注射する方法などで診断する。

治療

原因に応じて、まず環境の整備や対症療法を行う。抗アレルギー薬、副腎皮質ホルモン剤の噴霧などが行われるが、よくならない場合は、原因のエキスを少しずつ注射して免疫をつけていく減感作療法が行われる。

生活の注意

家庭では、原因となるものにできるだけ触れないように、掃除を十分に行い、そばがらやパンヤ、羽毛の寝具は使わず、動物、とくに犬や猫などを飼わないようにする。

急性鼻炎

ウィルスの感染によるかぜの症状のひとつで、多くの場合はかぜに伴うか、あるいはかぜに続いて起こる。乳幼児期では、かぜの初期症状としてあらわれることが多い。

かぜに伴う急性鼻炎では、はじめ鼻の粘膜に充血と乾燥があらわれ、くしゃみが出る。続いて鼻汁、鼻づまりが起こり、軽い発熱もみられる。

鼻汁ははじめ水様性だが、数日後には黄色く粘性に変わる。ふつう7~10日で軽快するが、長びくようなら小児科医にみせるとよい。