手足の異常

小児肘内障

赤ちゃんの手を上に引っばったとき、転んで手を下敷きにしたときなどに痛がって泣きだし、手を上げることもできなくなることがある。腱の位置のずれが原因で、これを肘内障という。

症状

痛がるが、ひじのあたりははれも熱もない。放置すると治りにくく、また治ったあとも痛みが2~3三日残るので早く処置をするとよい。

家庭での処置

処置は家庭でもできる。まずひじのあたりをさわってみる。骨折ならものすごく痛がるが、それほどでもなければ、ひじを曲げる運動でもとに戻してやる。

方法は、ダラリと下がった子どもの手首を握り、手首が肩に近づくまで十分にひじを折り曲げる。それだけで軽くポキンと音がして治ってしまう。治らなければ、手首を時計の針の進行方向にねじるようにする。もとに戻れば痛みはなくなる。ただし、しろうと療法は腕をいためることがあるので医師にみせる。

ペルテス病

3歳から12歳ころの男児によくみられる病気で、大腿骨頭に栄養を運んでいる血管の血流が悪くなり、成長中の骨頭部が一時的に腐って起こる。
しかし、一度腐っても、まわりから栄養血管が入り込み、2~3年のうちに元どおりになる。原因は不明である。

症状

とくに思いあたる原因がないのに、だんだんとひこうの程度がひどくなったり、股関節や膝関節の痛みを訴えたりする。また、股を外に開くか内側にねじるかしても、軽い痛みを感じる。ほとんどが片側だが、まれに両側にみられることもある。症状が進むと、悪いほうの足が細く、短くなる。

診断

股関節のX線写真をとると、成長している骨頭が平たくつぶれたようになっているのがわかる。そのつぶれ方や年齢などを考慮して治療方針を決める。そのまま観察を続けるだけでいいものから、股関節への体重の負担を軽減する装置を使ったほうがいいもの、手術をしたほうがいいものまである。

もっとも、時期がくれば必ず治る病気なので、無理に手術をしないでゆっくり治療するのが理想的である。ただし、何の治療もせずにいると、足が短くなって披行したり、大人になって変形性股関節症になる恐れもある。

成長痛

幼児のひざや足首などに起こる原因不明の痛み。自然に治ったかと思うとぶり返したり、痛みの起こり方はまちまちだがX線検査や血液検査を行ってもすべてに異常がない。

このような場合は、子どもの活発な運動に下肢の発達が追いついていけないために起こる成長痛(成長期の発育痛)と診断される。
疲労のほか、甘え、心因性のストレスが原因となることもある。ただし、まれにだが重大な病気でも似たような症状がみられることがある。成長痛と軽くみないで、一度は検査を受けたほうがよい。