尿をもらす

尿管開口異常

膀胱に尿を送る尿管が、膣や外陰部など膀胱以外の場所につながっている先天異常が原因で尿失禁を起こす病気である。本来であれば左右にひとつずつある腎孟や尿管が、片方2つある二重腎孟、二重尿管の人に多くみられる。

原因

二本の尿管が両方とも膀胱以外の場所につながっているという症例は少なく、膀胱とその他の場所の二か所に尿管がつながっていて、通常の排尿がありながら、それとは別に膣などから尿が流れ出すという場合がほとんどである。女性に多い症状だが、まれに男性にもみられることがある。
ただ男性の場合は尿道が女性よりも長いため、後部尿道につながっていることもあり、その場合には失禁があらわれない。

治療

手術によって膀胱以外の場所とつながった尿管を膀胱胱につなぎ直す方法がとられるが、膀胱以外の場所とつながっている尿管側の腎臓に機能低下がみられる場合には、腎臓ごと切除することもある。

尿失禁

自分の意思とは無関係に尿がもれてしまう。人間は3~4歳くらいから排尿を自分でコントロールできるようになるが、その時期を過ぎても尿をもらしてしまう場合を遺尿症といい、夜にだけ尿失禁が起きる場合を夜尿症と呼んでいる。

前立腺肥大や結石が原因で、膀胱内にたまった尿があふれ出す場合が考えられる。

また、外傷によって排尿を調節する神経に障害が起こり、その結果、無意識のうちに尿がもれてしまうという場合もある。これらの場合では、原因となる病気を治せば、自然と尿失禁も解消する。ただし急迫性尿失禁のように、重いものを持ち上げるために下腹部に力を入れたときや、くしゃみや高笑いをした拍子に、その圧力によって尿をもらしてしまうものもある。これは、とくに出産を経験した女性に多くみられるもので、膀胱括約筋とつながる旺門を絞る運動を繰り返すことで治る場合が多い。