下痢

乳糖不耐症

乳糖不耐症 (にゅうとうふたいしょう) は、乳糖を消化吸収できません。乳糖は、牛乳や乳製品に含まれる糖質です。乳糖不耐症 になると、乳製品を摂取した後に、腹痛、下痢、腹脹、ガスなど、さまざまな症状が現れます。

乳糖不耐症 は、ラクターゼ活性の低下により、哺乳後に著しい下痢や嘔吐があらわれます。ミルクに含まれる糖質である乳糖をグルコースとガラクトースに分解する乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が低下しているために、乳糖を消化吸収できず、著しい下痢や体重増加不良をきたす疾患です。 ラクターゼ活性低下の原因には、先天性の酵素欠損と二次性の酵素活性低下があります。

乳糖不耐症

乳糖不耐症

乳糖不耐症 症状と原因

先天性の場合と後天性の場合とがある。先天性の場合は、腸内の絨毛に本来あるべき乳糖分解酵素(ラクターゼ)が、生まれつき欠損しているもので、ミルクの吸収がうまくできず、噂孔開始後まもなく消化不良となって、下痢や嘔吐を起こし、脱水症や発育障害を引き起こしてしまいます。

後天性の場合は、成人に多くみられる。細菌性下痢やウィルス性下痢が長びいたために、腸に炎症を起こして乳糖分解酵素の働きが低下。乳糖の消化吸収がうまくいかなくなり、下痢がよりひどくなる。いずれの場合も便は酸性で、すっぱいにおいがします。

  1. 腹痛・腹膨満感: 乳糖を消化できないため、腸内で発酵が起こり、ガスが発生し腹痛や腹膨満感が生じることがあります。
  2. 下痢: 乳糖が腸内で引き起こす発酵反応が、水分を引き寄せて腸の動きを促進し、下痢を引き起こすことがあります。
  3. 吐き気・嘔吐: 乳糖不耐症の場合、摂取した乳糖が腸内で分解されないため、吐き気や嘔吐の症状が現れることがあります。
  4. ガスの発生: 未消化の乳糖が腸内で発酵することにより、ガスが発生し、膨満感やガスの放出が起こることがあります。

治療

乳幼児の場合は、乳糖を含まないボンラクトやラクトレスなど無礼糖孔による栄養法に切り替える。
高価ですが、乳糖分解酵素を加えた特殊な牛乳も市販されています。タカナシの低温殺菌牛乳などです。
タカナシ 低温殺菌牛乳

食物アレルギー

食べたものがからだのなかでアレルギー反応を起こし、いろいろな症状が出る病気。乳幼児の場合は皮膚や消化器の症状としてあらわれることが多い。年長児にも皮膚や消化器、呼吸器などの症状としてあらわれる。

症状

とくに思いあたる病気や原因がないにもかかわらず、下痢または便秘が続く、あるいは両者を交互に繰り返すなどの症状がみられ、ほとんどの場合、アトピー性皮膚炎を併発。乳児の場合は嘔吐を伴うこともある。

原因と治療

腸に入ったたんばく質の一部が分解されずにそのまま吸収され、これがアレルギー反応を起こす物質(抗原として働く。

原因となる食べ物で最も多いのが卵、牛乳、大豆などである。治療は原因となる食べ物の除去だが、乳児で母乳栄養の場合、母親にアレルギー疾患があると、母乳を介して子どもにもアレルギーが出ることがあるので注意を要する。

人工栄養児でミルクアレルギーをもつ場合はアミノ酸ミルクに変更する。また、年長児で症状の軽い場合、厳しい除去食は精神的ストレス、低栄養となる。医師とよく相談することが大切である。

感染性消化不良症

急性胃腸炎がさらに進行すると感染性消化不良症を引き起こす。細菌性の場合とウィルス性の場合があり、激しい下痢と嘔吐を伴う。

症状

便が水のようになり、1一日10回を超えることもある。嘔吐の回数も増え、水を与えても吐いてしまう。症状が進むと、黄色胆汁様、コーヒー残渣様のものを吐く。
なかには下痢や嘔吐がもっと軽い場合もあるが、このような症状に加、え、次のような症状があらわれてくる。ぼんやりとしてうつろな目つきとなり、まばたきも少なく、眠った状態になっていくか、あるいは、不機嫌に泣き、ときには全身のけいれんを起こす。
脈は速く弱く、進行すると触れなくなってくる。循環障害もみられ、チアノーゼがあらわれてくることもある。

治療

重症では入院が必要。点滴輸液、抗生物質、食事療法が有効だが、早期であれば経口補液でも改善する。

予後

合理的な輸液治療がなかったころは死亡率も高かったが、今は早期診断・早期治療を行えば心配はない。