子宮は骨盤のほぼ中央にあり、前方、つまり恥骨側に傾いているのがふつうだが、人によっては子宮が後方に曲がっていることがある。こうした状態を子宮後屈という。

しかし、まったく正常な女性の子宮でも、後ろに傾いた後傾後屈の場合が少なくなく、ふつうに妊娠・出産を経験している。昔は不妊症や流産の原因になるといわれていたが、現在ではその疑いはない。

したがって、ただ単に子宮が後屈しているというだけで病気であるとしたり、後屈を治すために手術をするということはない。流産や不妊症と後屈との因果関係はないのである。また、腰が痛い人の子宮後屈を手術しても腰痛が治るわけではない。