かつては乳児の死因のかなりの割合を占め、たいへん恐れられていたが、現在は早期に的確な治療さえ行えば、それほど恐ろしい病気ではなくなってきている。
症状
3~4日、かぜの症状が続いたあと、高熱が出る。たんを伴い、呼吸や脈拍が速まり、小鼻をピタピタさせて苦しそうに呼吸をする。
呼吸のたびにみぞおちのあたりが陥没することもある。
また原因となる細菌やウィルスによっては、下痢、嘔吐、けいれん、チアノーゼなどの症状もあらわれる。新生児や未熟児では、熱を伴わずに発病(無熱性肺炎)することもある。
原因
マイコプラズマという病原体による肺炎が20~50% 、ウィルスによる肺炎が20~30% 、残りが細菌性肺炎と考えられている。
治療
重症の場合は入院し、抗生物質を服用する。脱水症状や呼吸困難に対しては、輸液や酸素吸入が行われる。たとえ重症でも、入院して安静を保ち、適切な治療を受ければ命を落とすようなことは少ない。
しかし、月齢の低い乳児や、心臓病などほかの病気をもっている子どもでは重症化しやすい。
生活の注意
薬をきちんと飲ませ、安静を保つことが大切。呼吸しやすく、たんも出やすいように、ときどき上体を高く起こしてやるとよい。汗をかくのでのでこまめに下着を替え、からだをふいて清潔を保つ。また、室内の換気に気を配ると同時に、空気が乾燥しないように加湿し、体温にも十分な注意が必要。食事は、消化がよく、栄養価の高いものを与え、水分を十分にとらせる。ただし、食欲が低下しているので、少量ずつ、回数を多くする。