股関節が生まれつき脱臼しているもので、女児に多くみられ、家系的に発生しやすい。痛みがないため赤ちゃん自身は何も訴えず、関節も動くのでうっかりすると見落としてしまう。
症状
片側脱臼と両側脱臼とがあり、片側の場合は、左右の股関節の開き方が違い、脱臼しているほうの足が短く感じられる。気をつけて見ると、太ももの皮膚のシワが左右対称でなかったり、両ひざを合わせると高さが違っていたりすることがわかる。両側の場合は外見からの判断はむずかしい。
診察
新生児健診のクリックテストでわかる。新生児だとX線写真による判断は困難である。新生児健診後は1ヶ月後健診や3~4ヶ月健診を必ず受けたい。
治療
早期に治療すれば治るが、1歳を過ぎて歩けるようになってからではこうは、披行(引きずって歩く)などの後遺症を残す確率が高くなり、手術が必要となる。
早期治療ではリーメンビューゲル法といわれる方法がとられる。股関節を固定し、ひざの曲げ伸ばしだけが自由にできるようなバンドをつけて整復する方法で、これを行うと自然に治っていく。
大部分の先天性股関節脱臼は、出生直後のオムツの当て方やオムツカバー衣類のつけ方の悪さが原因しているので、それらに気をつけなければならない。また抱くときやおんぶするときは股が自然に開くよう配慮する。