心臓神経症

心電図やX線検査では何も異常がないのに、循環器系に関係したさまざまな症状があらわれるものを心臓神経症といっている。

症状

動悸、息切れ、胸の痛みがおもな症状である。息切れは軽い運動のあとに起きることが多く、息がつまるような感じがして、思わずため息をつくことがある。
胸の痛みは心臓のあたりに生じるため、狭心症と間違えやすい。しかし心電図に異常がみられないばかりか、ニトログリセリンなど狭心症の薬を用いてもはっきりとした効果はあらわれない。
また動悸に多少の不整脈を伴うことがある。このほか、めまいや手足のしびれ、頭痛、不眠などさまざまな症状があらわれる。心臓神経症患者を精神医学的に分類すると、不安状態、心気状態、ヒステリー状態、抑うつ状態の四つに分けられるが、そのなかでも不安、緊張などの精神症状を訴える不安状態の人が圧倒的に多い。

原因

神経症的な素因や体質をもっている人にさまざまなストレスがかかったときに起きるといわれている。

診断

似たような症状を訴える病気が多いため、正確な診断が重要である。そのため循環器以外の病気との識別を慎重に行う必要がある。とくに軽度の心不全や動揺性高血圧、アダムス・ストークス症候群と間違えやすいので注意が必要である。

治療

何よりも重要なことは、患者自身が心臓に何の異常もなく、健康であることを理解することである。そのためには、自分が信頼できる医師の治療を受けるとよいだろう。
実際の治療では、患者の精神状態によって多少異なるが、カウンセリングを中心に、精神安定剤や抗うつ剤などの薬物療法が行われる。また、場合によっては心療内科による各種の精神心理療法を受ける方法もある。

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