腱鞘炎

指や手首、足首など関節を曲げるときに働くのが筋肉で、筋肉は腱とつながり、腱は骨とつながっている。腱鞘炎は、この腱を包んでいる腱特に起きる炎症をいう。

症状

炎症が起きる場所によって症状に多少の違いがある。

ドケルバン病

手首の親指側にある長母指外転筋と短母指伸筋の腱翰に炎症ゆちやくが起きて、はれたり、癒着したりするもの。そのため腱のすペリをよくする腱鞄の本来の働きが阻害され、親指を使ったり、手首を小指側に曲げようとすると強い痛みを感じる。弾発指指のつけ根の手のひら側に起きる腱鞘炎で、指を動かすさいに痛みを感じるほか、腱にふくらみがある場合には、指にバネ現象と呼ばれる特徴的な症状があらわれる。これは腱鞘炎によって腱の働きが鈍って指が伸びたまま、あるいは曲がったままになり、それを無理に曲げたり伸ばしたりしようとすると、バネのようにもとの状態に戻ってしまうものである。なお親指が伸びない幼児のバネ母指は、先天的に腱鞘が狭いために起こる。

結核性腱鞘炎・化膿性腱鞘炎・リウマチ性腱鞘炎・

結核菌が原因となる結核性腱鞘炎、化膿菌による化膿性腱鞘炎は、弾発指に比べてはれ方が激しいのが特徴である。また結核性腱鞘炎は症状が徐々に悪化するのに対して、化膿性駐輪炎は症状の進み方が早い。
なおほかの結核性の病気と同様、結核性腱鞘炎は最近では非常に少ない。現在、手や指の腱鞘炎で多いのはリウマチ性のもので、複数の場所に同時に起きる、左右の手に対称的にあらわれる、という特徴がある。

原因

腱鞘炎のほとんどは、腱の使いすぎによる機械的な刺激が原因で生じる。また炎症はどの腱にも起きるが、キーパンチャーや野球選手などにみられる手首の腱翰炎が最も多く、なかも代表的なのがドケルバン病(橈骨茎状突起痛)、バネ指、バネ母指(弾発指)である。なお機械的な刺激のほかに、結核やリウマチ、化膿が原因で起きる腱鞘炎もある。

治療

ドケルバン病の治療には、患部をバンドなどで動かさないようにしたり、副腎皮質ホルモン剤を注射したりする。これらの治療で効果があがらない場合には手術で腱鞘を切開するが、
この手術は、手術の程度の見きわめや神経を傷つけないための技術などむずかしい点が多く、経験豊かな専門医を選ぶ必要がある。

バネ指の治療法はドケルバン病と変わらない。ただし幼児のバネ母指は、成人になれば自然に治癒するものがほとんどである。結核性および化膿性腱鞘炎の治療では薬物療法が、リウマチ性腱鞘炎ではリウマチに対する治療が中心となる。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください