症状
子宮の下の4分の1くらいの部分を子宮膣部といい、子宮膣部から子宮に向かって延びている管を頸管という。子宮頸管炎は月経のときなどに細菌が侵入し、炎症を起こす病気である。
炎症が頸管だけに限られている場合は、発熱や痛みはないものの、おりものが増加する。
炎症によって子宮膣部の粘膜が壊れると、頸管内の粘膜上皮細胞がこれに代わって表面をおおい、膣腰部が赤くただれてくる。これが子宮膣部びらんである。
治療
頸管炎は直接、膣のなかに抗生物質を含んだ坐薬を入れる。炎症が軽く、おりものがあまり多くない場合は、そのままにしておいてもよい。膣部びらんは出産経験のある女性に一般的にみられ、それ自体が病気であるとはいえないが、がんの初期症状と見分けがつかないことが多いため、細胞診でがんでないことを確かめておく必要がある。
良性で、あまり大きくないぴらんはそのまま放置しておいてもよいが、大きいびらんや性交後、出血を繰り返す場合は、びらん面に機械を当て、冷やして細菌を殺す冷凍凝固療法を行う。炎症を起こしている上皮細胞を破壊するもので、痛みはなく簡単である。治療後、しばらくおりものが増加するが心配はない。