症状
出生時から数週間以内の乳児が、おもに息を吸い込むときに、ぜーぜー、ごろごろという音をたてる状態のことを先天性喘鳴という。
胸骨の上部が呼吸と一緒に引っ込むようなことがあり、授乳のときに音が強くなる。これはひとつの病気ではなく、さまざまな原因が重なり合って、いろいろな病気が集まったものである。ぜんそくと勘違いする母親もいるが、月齢で区別する。
原因と経過
最も多いのは、喉頭を構成する軟骨組織が未熟なためや、気管の輪状軟骨が軟弱なために起こるものである。生後1ヶ月までにゼーゼーという症状が出るが、一般に全身の状態はよく、チアノーゼや体重増加不良となることはまれで、半年から2歳までの間には自然と消えてしまう。
まれに、喉頭や舌の根もとなどの奇形や先天異常、先天性心疾患が原因となっていることがある。しかし、大部分は特別な治療をしなくても、半年から一年くらいで徐々に改善していく。