頭部外傷

統計的に頭部に外傷を負う場合をみると交通事故が最も多く、転倒や転落などの事故、また心臓や脳の病気で意識を失ったさいに転倒して、頭部を傷つけるということもある。

開放性頭部外傷頭の皮膚が切れて出血した場合、頭蓋骨を骨折した場合、骨折によって脳が傷ついた場合などである。出血が起きたらあわてずに、ガーゼなどで傷の上から押さえつけるように止血することが大切。5五分ほどしても出血が止まらないときには、近くの病院で手当を受けるようにする。

閉鎖性頭部外傷le

頭の皮膚に傷がなくても、頭蓋骨骨折や脳の損傷の可能性があるので要注意である。ただし打ちつけた場合にコブができず、気を失うこともない場合には、そうした心配はない。間違えやすいのは老人や酒に酔った人が頭を打ったときで、この場合は3~4週間もたってから脳の表面に出血がたまることがある。その結果、ボケや頭痛、四肢のまひなどが起きることがあるので、そのときには手術が必要になる。

多発性硬化症

神経繊維をおおっている 髄鞘 ( ずいしょう )が何かの原因で破壊され、それに伴ってさまざまな神経障害があらわれる病気である。10~60歳の人にみられ、とくに30歳前後の人に多いといわれる。北欧や北米などの寒冷地に多い難病で、これらの地域では日本の10倍以上の割合で発病している。

症状

大脳や小脳をはじめ、視神経、脊髄などいろいろな部分に障害があらわれるので、症状はその場所によって異なる。ただし一般には視神経の障害から始まることが多く、突然、片方の目が見えなくなる、物が二重に見えるといった症状があらわれる。

また、手足のまひやしびれがあらわれる場合もある。このほか障害が起きる場所によって、歩行困難やめまい、言語障害、排尿困難、けいれん、ふるえ、頭痛、筋肉痛など多彩な症状があらわれる。

原因

はっきりとした原因はわかっていない。アレルギーによるとの説が一般的だが、最近では、はしかウイルスが原因となっているとの説もあらわれている。

経過

症状が最初にあらわれてから数時間から数日の間は症状が悪化する。そして軽い場合には1週間から数週間で症状が消えることが多い。
しかし重症の場合には手足のまひや知覚の低下、視力消失など重い後遺症が残るので注意が必要である。また、これらの症状が何度も発作的に繰り返されることがあり、その場合発作は短ければ数か月、長ければ数年から十数年ごとにあらわれる。

診断

CT検査やMRI検査などが行われる。

治療

再発を繰り返して重い後遺症が残るのはおよそ10% 程度で、大部分は完治して再発しないか、日常生活に支障のない軽い後遺症が残る程度である。

なお、急性期には副腎皮質ホルモン剤などが治療に用いられる。また慢性の多発性硬化症は、リハビリテーションでからだの機能をかなり回復できる。

失語症

大脳の言語中枢神経に異常が起き、言葉を話すことができなくなる病気。単に言葉を話せなくなるだけでなく、文字を書く、言葉を理解するといった機能にまで障害が起きることが多い。

治療のためには、長期間にわたる組織的な言語訓練が必要になる。また精神の発達の遅れや聴覚障害、発語器官の障害などによって、子どもの言語発達が遅れることがあるが、この場合には重大な病気が原因になっていることが多いので、医師の診察を受けなければならない。

このほかの言語障害としては、言葉がつかえたり、同じ発音を繰り返すといったケースがある。こうした場合は精神的な要素が大きく影響しているので、会話の訓練とともに、心療内科などによる精神的な治療を行うと効果的である。