細菌が感染し、それが歯についた食べ物のなかの糖分を酸に変え、さらにその酸が歯の脱石灰化をうながすことによって起こるもので、正式には「う歯」という。母親の妊娠中のカルシウム不足が原因ではなく、甘いものや酸性食品のとりすぎが関係している。
症状
子どものむし歯には大人と違う2つの特徴がある。ひとつは、進行が早く、歯の表面の黒褐色の小さいむし歯が、短期間のうちに内部に進行ししずいて歯髄にまで及び、炎症を起こすこと。
もうひとつは、1度に多発し、多くの歯をおかすということである。進行の程度によって、熱いもの、冷水、冷たい空気、甘いものなどでしみたり、痛みを感じたりする。
予防
むし歯予防は、歯、とくに歯と歯の間を清潔にすることである。歯が生えはじめたら、母親は乳幼児用ゴム歯ブラシや幼児用のやわらかい歯ブラシを使い、食後の歯みがきを習慣づけたい。
みがき方は、小児歯科できちんと指導を受けるとよい。子どもがどうしてもいやがる場合は、ガーゼで歯をふくだけでも効果がある。
同時に、フッ素化合物の塗布はさらに有効である。年2~3回、定期的に塗り、もちろん、食後の歯みがきも忘れてはならない。
ただし、乳幼児ではうまく塗れないため、年長児期まで待つほうがよい。菓子や果実を食べたあとも歯みがきの習慣をつければ、甘いものを与えてもよい。ジュース類を飲んだときは、口をゆすがせる。
治療
むし歯は放置しておいて自然に治ることは絶対にないので、早期に治療する。軽いうちはおかされた部分だけを削り取って、合成樹脂や金属を詰めればよいが、歯髄(歯のなか)までおかされると、いわゆる神経を抜くといわれるように、歯髄まで取り除かなければならなくなる。
さらに進むと抜歯が必要である。子どもの場合は急速に歯髄まで進むので、早期に小児歯科を受診することと、定期検診が必要である。
また放置すると、うまく抜歯できなくなり、永久歯の歯ならびを悪くしたり、永久歯のむし歯の原因ともなる。ときには腎炎や骨髄炎、敗血症などをまねくこともあるので、たかがむし歯とあなどれない。
むし歯が進行して痛がるときは、とりあえずむし歯のなかに詰まっているかすをようじで除去し、ぬるま湯でよくうがいをさせる。その後、むし歯用痛み止めを塗ったり、冷やしたりしてその場をしのぎ、歯科医にみてもらう。
早食いでよく噛んで食べていない | Health Checkなどもむし歯に関連します。