強皮症

膠原病の一種で、その名のとおり皮膚がかたくこわばってくるのが特徴の病気である。中年以降の、とくに女性に多い。

症状

症状は進行性のもので、はじめは手の指や顔がむくんだような感じで、動かすとつっぱるような感じがする。それから数ヶ月か数年すると、皮膚がこわばってかたくなってくる。
そしてしだいに顔や胸、足など、全身の皮膚の硬化が顕著になる。手の指がかたくなると、指先が曲がったままで物が握れない状態になる。
ときには指先に潰瘍ができたり、爪の変形をみることもある。また、レイノー現象といって、ふだんの皮膚の色は正常でも、冷たい水に手を入れると真っ白に変わる症状も、この病気に多くみられるものである。
皮膚がかたくなる前にレイノー現象があらわれることもあるので、診断の一助になる。顔の皮膚が硬化しはじめると、シワが少なくなるために表情も乏しくなる。
一方、胸の皮膚がかたくなった場合は、ときには呼吸困雛を訴えることもあるので注意が必要である。このほか、胃や腸、食道、肺、腎臓などの内臓にも硬化の現象があらわれることもあり、その場合は内臓の機能障害となるので、早急な処置が必要となる。

原因

原因は不明であるが、いわゆる結合織病、膠原病といわれる自己免疫疾患の一種である。

治療

医師の指示のもと、副腎皮質ホルモン剤やD・ペニシラミン、血管拡張剤などを用いるが、現状の薬は、病状の進行を食い止めるまでには至っていない。

生活の注意

皮膚がかたくなるのを防ぐために、温浴や保温でからだの冷えを防ぐことに留意した生活を心がける。また、手足のマッサージや過度な運動も皮膚の硬化を防ぐためには有効である。とくに一度傷をつけると治りにくいので、肌をあまり出さないようにし、保温の意味から冬季は手袋を常用したほうがよい。

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