慢性肝炎

明らかに肝炎の急性期の症状が認められたケースで、発症から6ヶ月以上を経て、なお肝障害(GOT/GPTが持続的に高値を示すこと) が認められる場合、または肝生検による組織所見で確認された場合は、慢性肝炎と診断されている。

急激に悪化したり活動性が強くなる時期もあるが、一般には肝細胞の壊れ方が急性肝炎のように急激ではないため、少しずつ肝細胞が破壊される一方で肝臓の自己再生能力が細胞を修復するという、安定したかたちをとる。
したがって多くの場合、病気という自覚がもちにくいのが実情だ。実際、慢性肝炎の多くは、40~50歳になってかぜと思って受診したときや健康診断を受けたときに偶然、発見されている。

症状

肝炎が慢性化すると、黄疸はあまりはっきりとはあらわれない。しかし、激しい運動や飲酒などをして肝臓に負担をかけると、尿が濃く、泡まで黄色くなったり、肌がうっすらと歩黄色みを帯びてくる。
熱や腹痛、お腹が張るなどの症状あらわれることも少なくない。悪化ると疲れやだるさ、食欲不振、吐き気などを感じる。こうした症状は日常な疲れやかぜと間違いやすいため、逃してしまうと症状を悪化させるこになる。注意が必要。

原因

急性肝炎の場合、ウイルスに感染して通常、2~3ヶ月経過すると体外に排出れ、肝臓の機能は回復する。しかしときには回復期に無理をしたりして病気が治りきらずに慢性化することがる。
これが急性肝炎から慢性肝炎にる多くのパターンである。もうひとつの慢性肝炎のパターン急性肝炎のように症状が急激に出なで、ゆるやかに一進一退を繰り返しがら病状が悪化していくというものある。
ウイルス性の急性肝炎から慢性肝に移行するケースは、A型肝炎にはとんどみられず、B型、C型に多いなかでもC型肝炎は慢性肝炎になる率が高く、急性C型肝炎にかかった♪慢性化しないように十分注意したい。

肝硬変への移行

慢性肝炎それ自で生命を落とすことはないが、怖いはそれが徐々に進行すると慢性肝炎ら肝硬変に移行することである。肝硬変になると肝細胞の破壊が著しく、完全に治すことができなくなってしまう。また肝硬変になると肝臓がんを併発する確率も高くなってしまう点も、慢性肝炎の危険なところ。

診断

診断には急性肝炎と同じく血清トランスアミナーゼ値(GOT/GPT)検査が利用される。いずれの数値も急性肝炎では500~1000以上に達するが、回復とともにその数値は下がり、やがて正常値の40以下に落ち着く。
しかし慢性肝炎に移行すると100~200前後の異常値が長期間持続する。

黄疸は症状が急激に悪化するとき以外は、はっきりとあらわれることはない。したがって黄疸が出ないからといって安心することはできない。

ただし慢性肝炎といってもその症状にはいろいろあり、症状が軽いものから肝硬変に近い重症のものまで、また病変が静止しているものや、活動的で広がりつつあるものもある。そのため、病状の把掘や予後の判断の材料として、肝硬変検査は何度も繰り返さなければならない。また肝硬変の進展を予測したり、治療方針を決定するために、肝生検や腹腔鏡検査が行われる。

治療

基本的には急性肝炎と同じで、安静と薬、食事による治療が行われる。ただし慢性肝炎の場合、病状が落ち着いているケースから重症で急性肝炎のような症状を示すケースまで、患者によって症状に開きがあるため、病状に応じた治療が必要となる。また、慢性肝炎は経過が長く、肝硬変に進展しなければ致命的菜疾患ではないので、症状の許す限り積極的に社会復帰をはかり、健康な人に近い生活をするようつとめることが必要。

現在では、慢性肝炎が将来どのようになるかは検査すればかなり予測できるので、専門家に相談し、どの程度、社会活動が可能かを判断してもらうことが大切。薬物治境では、インターフェロンの注射、強力ネオミノファーゲンCの静注、そして漢方薬の服用が行われる。B型慢性肝炎の場合はインターフェロンと副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤が併用される。

慢性肝炎患者の生活の注意

判定基準 検査と治療
生活
日常生活 食事
肝組織で非活動性の所見を示す場合
GOT/GPTは150KU以下で推移する場合
月1回程度の定期的な外来通院が必要。自覚症状が乏しい場合は、GOTO/GPTの変動にあまりこだわらずに積極的に社会復帰をすすめる
過労を避け、平常勤務(重労働や不規則な連続勤務は避ける)食後30分前後、横になるのが望ましい。
高たんぱく食(1日に80~100g)をとる。脂肪、糖質をコントロールして標準体重を目標とする。ビタミン類を十分にとり、新鮮な野菜、果物をとる。禁酒。
肝組織で活動性の所見を示す場合
自覚症状に乏しくGOTO、GPT150KU前後の場合は外来通院
軽勤務
上記に準ずる腹水が認めら耽る場合は塩分を制限する
GOT/GPT 150KU以上その他の肝機能の異常が強い場合や肝硬変への進展傾向が見られる場合は入院。またあ自宅で安静
社会復帰は症状が安定してから
上記に準ずる腹水が認めら耽る場合は塩分を制限する
黄疸、食欲不振、全身倦怠などの自覚症状がありGOT/GPTが300KU以上の場合
入院。急性肝炎の治療に準ずる
安静にして寝ている
脂肪を減らし消化のよい食事をとり、食欲の増進につとめる

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