痔とは肛門部の病気の総称で、そのおもなものとして、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)あな痔がある。この3つは肛門の病気全体の90% 以上を占めることから、3大肛門病といわれる。

いぼ痔(痔核)

肛門には非常に多くの静脈が集まっそうた静脈叢があり、この部分の血の流れが円滑に流れなくなって静脈血がたまりゆうると、静脈痛ができる。この静脈壇がコブのように盛り上がったものがいぼ痔で、大きさは大豆大のものから指先大のものまでさまざまである。

症状

はじめは排便のときに紙につく程度の出血に、肛門部の痛みやかゆみが伴う。しかし、そのままにしておくとしだいに出血量が増えて、ポタポタとたれ落ちるようになる。
そして、ときにはほとばしるように出血することがあり、そのようなときには貧血を起こすこともある。ただし出血は、排便がすめば自然に止まることが多い。

また、炎症が起きるといぼ痔が一層腫れ、突然激痛が走ってからだを動かすこともできなくなる。しかし、そうした痛みも、数日たてば自然におさまることが多い。
そのほか、いぼ痔が肛門の外にとび出した場合には、肛門括約筋がとび出して出口をふさぐようになって、もとの状態に戻りにくくなってしまう。
この状態をか嵌頓痔核といい、さらに激しい痛みに襲われる。
なお、いぼ痔が外にとび出しても何も症状がない場合もあるが、激痛を伴うことが多い。

原因と誘因

静脈叢のうっ血は、排便や出産などのさいに肛門部に加わる強いいきみが直接の原因となる。

  1. 長時間の同じ姿勢
  2. 刺激の強い食事
  3. 冷え

などがあげられる

野球のキャッチャーや長距離トラックのドライバーにいぼ痔が多いといわれるのは、1が誘因となるためである。また、2の刺激物は、一部が吸収されないまま肛門から排泄され、そのときに肛門の粘膜を刺激する。3は冷えが血行を悪くして、うっ血ぎみの人の状態をいっそう悪化させるーといわれている。また腸の長いアトニー体質の人は便秘しやすく、それだけいぼ痔にもなりやすい。

経過

いぼ痔は、放置したままで治るということはなく、確実に少しずつ悪化していく。一時的には座薬などで痛みは解消するが、そのままにしておくと再び痛みがあらわれ、やがて脱肛し、もとに戻らなくなってしまう。

診断

肛門部には、全身の病気や大腸の病気が、痔のような症状を伴ってあらわれることがある。そのため痔の診断では、それらの病気と痔を区別するために血液検査や尿検査をはじめ、肝機能検査、血清検査、Ⅹ線撮影、心電図、内視鏡検査など、さまざまな検査が必要に応じて行われる。

治療

できるかぎり肛門を傷つけないで治すことが基本である。とくに初期のうちは手術をすることなく治せるので、恥ずかしがったりせず、早めに専門医の診察を受けることが大切である。軟膏を塗ったり、薬物療法も行われるが、軽快しない場合には、手術を受けることが最も確実といえる。手術以外のいぼ痔の治療には、大きく分けると次の方法がある。

  1. 便の調整
    スムーズな排便は、いぼ痔の治療の大切な柱であり、最も基本的な予防法でもある。短時間のうちに排便しょうとすれば、どうしても肛門に力が加わりがちなので、ある程度時間的な余裕をみてゆったりとした気持ちで排便するようにしたい。また和式の便器よりは、洋式の便器のほうが力を入れずに排便できる。
  2. 食事療法
    食事療法刺激物を避けることはもちろん、食物繊維の豊富な芋類や、野菜、果物類をとるようにして便秘を防ぐことが大切。またヨーグルトなど、ビフィズス菌の含まれるものも積極的に食べるようにしたい。たとえばコンニャクや海草類、バナナ、リンゴ、プルーンなどである。他にもアロエ、イサゴールなども。アロエは無添加無農薬アロエ原液100%(キダチアロエピュア100)などがおすすめ。無添加で生のアロエを絞ったアロエの原液で便秘にも効果大。

切れ痔(裂肛)

症状

肛門上皮に傷ができたものを切れ痔という。肛門上皮はほかの部分の皮膚よりも薄く、かたい便を排泄するさいなどに裂けることが多い。そのまま放置すれば細菌感染によって傷が深くなり、内括約筋も含めてかたくなって肛門が狭まる。その結果、ますます便の排泄が困難になり、傷も治りにくくなるといった悪循環に陥ってしまう。
そうなると排便後、激しい肛門痛に襲われ、ひどくなると数時間から半日以上それが続く。
そして、そのために肛門の外側と内側にいぼができたり、潰瘍ができたりする。ちなみに切れ痔の外側にできるいぼを「見張りいぼ」というが、これはこのいぼが内側にもいぼがあることを証明しているからである。また切れ痔は肛門の後ろにできることが多いが、女性では前にできることもある。

治療

早めに手当をすれば坐薬や内服薬、排便調整でほとんど治せるが、肛門が狭くなったり、潰瘍ができたりした場合には手術が必要である。

あな痔

肛門のくばみの部分に下痢便などによる傷がつくと、そこから大腸菌などの細菌が侵入して炎症を起こし、うみがたまる。このうみが直腸の周囲から肛門の周囲の組織を経て、さまざまな場所にたまった状態を肛門周囲膿瘍という。
そして、このうみの集まり(膿瘍)が皮膚を破って外に出たり、小切聞手術を行ったりしたあとに残る穴(瘻孔)があな痔である。膿瘍が組織の深い場所にある場合には、皮膚に通じる出口がないため、大きな深部膿瘍をつくったり、皮膚に通じる枝道をいくつもつくつて肛門周辺にたくさんの穴をあけることがある。

症状

肛門周囲膿瘍では、旺門の周囲にしこりやはれがあらわれ、同時に肛門周囲の灼熱感や痛みを感じる。また寒けや発熱、吐きけなどを伴い、膿瘍が広がれば排便や歩行が困難になる。ただ膿瘍が深い場所にあるときは、これらの症状が出るまでに時間がかかる。
一方、あな痔の場合は、病気がゆるやかに進むので、自覚症状はあまりあらわれない。瘻孔がふさがって、なかにうみがたまると、はれて痛みを感じるようになる。

治療

肛門周囲膿瘍、あな痔ともに、手術をする以外、治療法がない。ただ肛門周囲膿瘍の場合は、早い時期に小切開を行ってうみを排出させ、抗生物質や鎮痛剤を用いる治療が行われる。

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