慢性関節リウマチ

長い時間をかけて、全身の関節炎が徐々に進む病気だが、同時に関節以外の全身の臓器や組織にも異常があらわれる。膠原病のなかで最も多い病気で、日本の全人口の0.3~8%の人がこの病気をもつといわれている。

男女別にみると女性が圧倒的に多く、およそ80%を占めている。なかでも30~50歳代にかけて発病することが多い。

症状

最初は微熱や全身の疲労感、食欲不振などが続き、関節はときどき痛む程度である。しかし、そこに気温の変化などの誘因が加わると、急にはっきりとした症状があらわれてくる。
慢性関節リウマチでは、いろいろな症状があらわれるが、そのなかで中心となる症状が関節炎である。

これは関節がはれて痛むと同時に、やがて変形して動かなくなってしまうというもの。とくに手足の関節は症状が出るのが早く、またあらわれ方も強い。それに対して、首などの頚椎の関節は症状が遅れてあらわれる。

また慢性関節リウマチになると、起床のさいにからだが自由に動かず、しばらく床のなかでからだを動かしていると少しずつからだの自由が回復する。
これは「朝のこわばり」と呼ばれる症状で、慢性関節リウマチの特徴的な症状のひとつである。
病気が進むと、ひじやひざ、後頭部などに皮下結節と呼ばれる小さなかたまりがあらわれる。これは慢性関節リウマチがかなり進行していることを示す症状で、痛みやかゆみは伴わない。

そのほか慢性関節リウマチでは、心臓や肺、腎臓などに障害があらわれ、その部位に応じたさまざまな症状が生じてくる。なお子どもの慢性関節リウマチでは高熱や皮膚の赤い斑点、心臓症状などがあらわれる。

原因

はっきりとした原因は、まだつかめていない。ただ患者の血清中にリウマトイド因子と呼ばれる一種のたんばく質が検出される。このリウマトイド因子は自己抗体の一種で、リンパ球のなんらかの異常が原因でこの因子がつくり出され、さまざまな症状があらわれると考えられている。
また、それと同時に、この病気にかかりやすい体質(リウマチ体質)があることもわかっている。

誘因

リウマトイド因子をもつ人は多いが、その人たちすべてがリウマチになるわけではない。したがってリウマトイド因子やリウマチ体質のほかに、リウマチが発病したり、悪化したりするさいには、いくつかの因子が関係していると考えられている。

なかでも、とくに深い関係をもっているのが天候や気温で、季節の変わり目や台風がくるときなどに、痛みが激しくなる。そのほか妊娠や出産、過労、精神的ストレスによってもリウマチが悪化する。自律神経との関係性を研究している専門科も多い。

経過

一時的によくなったかと思うと再び悪化するというパターンを繰り返しながら、病気がゆっくりと進行する。ただ若い世代に起きたほうが、病気の進み方は早い。

診断

血液中のリウマトイド因子を調べる。また病気の程度を知るために、赤沈(血沈) やCRP(反応性たんばく)、関節や胸部の線検査などが行われるほか、類似疾患との判別のための各種検査も必要となる。以上の検査結果や症状とあわせて、最終的にはアメリカリウマチ協会がつくったリウマチ診断基準にもとづいて診断される。

治療

長期にわたる治療が必要なため、治療方針を慎重に決定したうえで、治療を始めることが大切になる。

安静と運動

微熱が出たり、全身の疲労感が著しい場合には、全身および関節の安静が重要である。ただし、あまり長い間安静にしていると、今度は関節が動かなくなってしまうので、病状に応じて少しずつ運動を加えていくようにする。

具体的には、最も重症の場合でも1日数回の深呼吸や腹筋、手足の筋肉に力を入れるくらいの運動をするようにし、回復とともに人に動かしてもらう他動運動から、自分で動く自動運動へ、さらにほかの人の力に抵抗してからだを動かす抵抗運動へと進む。
その場合、入浴してから運動すると効果的である。そのほか、赤外線療法や超音波療法、パラフィン浴、マッサージなどさまざまな理学療法が行われるが、いずれの場合も、医師や理学療法士の指導に従って、根気よく行わなければならない。薬物療法非ステロイド性抗炎症剤と抗リウマチ剤とが併用される。

整形外科的治療

関節の機能回復のために副木やギプス、装具、補助具などしっが使われる。股関節や膝関節が破壊された場合には人工関節をつける手術が行われる。

生活上の注意

一気に回復するという病気ではないため、日常生活の過ごし方が重要である。

たとえば、寒さや湿気、過労、肥満などはリウマチを悪化させる誘因となるため、避けるようにしなければならない。
また長期間の治療は、本人はもちろん、家族など周囲の人たちにとっても精神的・経済的負担となることがある。
しかし、この病気の治療には精神的な安定が何よりも必要で、それがなければどんな治療も効果は期待できないともいえる。
また、何といってもつらいのは本人であり、周囲の人は慢性関節リウマチについて一緒に勉強し、患者を勇気づけ、慰めてあげるような思いやりが必要である。

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