痛風

血液中の尿酸が異常に増加して、急性関節炎の症状が繰り返しあらわれ、痛風結節と呼ばれる関節のはれを起こす。そして腎臓の機能が低下して、心筋梗塞をまねくこともある。

症状

激しい関節痛の発作が突然起きるのが特徴で、その大部分は足の親指のつけ根の関節に起きる。それ以外には、足やひざ、手指の関節に痛みがあらわれることがある。

原因

高尿酸血症が原因となる。これは関節のなかに尿酸がたまり、関節および関節周囲の組織に白血球が集まり、炎症を起こすためと考えられている。
血液中の尿酸値は男性の場合、3.5~7.6mg/dl、女性で2.3~7.66mg/dlが正常値であり、これ以上の数値を示す場合を高尿酸血症という。ただし、高尿酸血症の人がすべて必ずしも痛風になるというわけではない。

経過

痛風は正しい治療を受けることにより痛みはとれる。しかし、痛みがとれて薬を服用していても再発作を繰り返したり、再び尿酸値が高くなったりする。したがって、一度でも痛風にかかって治療を受けたら継続的に通院する必要がある。

診断

足の親指のつけ根に起きる突然の激痛と、血液中の高い尿酸値が診断の材料となる。また、その痛みが、コルヒチンという薬で急速に消えるという点も、痛風の特徴である。さらに耳たぶや足、ひじ、手などに尿酸がたまり、痛風結節というコブができることも、痛風の診断の根拠となる。痛風結節は、適切な治療をせずに長期間放置すると発生し、この内容物を顕微鏡で見ると尿酸結晶がみられる。

治療

発作が起きたときには、前述のコルヒチンという薬が用いられる。そして痛みが消えたら尿酸を尿に排泄するための薬や尿酸の過剰生成を抑制する薬を用いる。また水分を十分にとって、1日の尿量が2L以上になるようにするとともに、重曹で尿酸の排泄をうながすとよいともいわれる。

生活の注意

食事療法についていえば、かつては尿酸の過剰分泌を抑えるために肉食は禁止されていたものだが、現在では効果的な薬の開発によって、とくに食事制限をするようなことはなくなった。しかし、肥満の防止と、アルコールの飲みすぎを控えることが大切である。また、高血圧の薬のなかには、高尿酸血症を起こしやすいものがあるので、痛風のある人は注意が必要である。

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