多くの場合、40歳から60歳にかけて肩が痛くなるとともに、肩の動きが悪くなる病気である。
症状
急性期には何もしなくても自発痛があるが、そのうち動かすと痛くなる運動痛だけになる。腕を前方に上げたり、まわしたりしにくくなる。
原因
肩の関節をとりまく袋状の腱や関節の変性などのほか、腱の炎症や関節液を蓄えているところ(滑液包)の炎症、石炭化などがみられるが、これらの変化は、中年過ぎに起こる老化現象の一種で、治癒するまでに半年から一年半程度必要である。
治療
発病後の日の浅い時期には安静にして局所を固定し、副腎皮質ホルモンの局所注射をする。急性期を過ぎると、運動療法がよい。たとえば、上体を前屈させて、悪い肩のほうの手でアイロンなどの重いものを持ち、前後左右に動かすゴッドマン体操が基本になる。
棒やタオルなどの両端を持って、頭の上、首の後ろ、背中などにもっていく運動も効果がある。こうした運動をする前に、ホットパックなどの温熱療法を行うと、筋肉の緊張がとれるため、運動療法の効果がよりいっそう増してくる。
この病気は治るまでかなりの期間を要するが、心配するほどの病気ではないため、あせらずのんびり治療を続けることが重要である。とくに初期のうちは、治療しているにもかかわらず病気がある程度まで悪化するため心配しがちであるが、根気よく運動を続けることが大切。