首がまわらない・はれる

亜急性甲状腺炎

症状と現任

甲状腺が徐々にはれて炎症を起こしたもので、体温が上昇してのどのあたりが熱くなる。首の前のあたりがはれて痛みだすが、皮膚が赤くなるようなことはない。甲状腺をさわってみるとかたくはれており、押すと耳に響くような痛みが走る。発熱は高熱の場合も微熱の場合もあり、さまざまである。原因はまだ不明である

検査と診断

血沈が著しく速くなり、血液中の甲状腺ホルモンを測定すると、一時的に増加するが、その後、減少する。

治療

原因がはっきりしないため、根治療法は確立されていないが、症状を軽くするために、まず安静にすることが必要。比較的重症の場合は、副腎皮質ホルモン剤を用いると、症状が軽くなる。

単純性甲状腺腫

甲状腺がはれる病気だが、甲状腺機能に異常はないため、生命にかかわる病気ではない。

症状

甲状腺腫が大きくなりすぎると、気管が圧迫され、多少、呼吸困難になることもあるが、首が少し太く見える程度しかはれなかった場合は、ほかに症状はない。

原因

甲状腺ホルモンの生成に障害が出たため、甲状腺が大きくなったと考えられている。その一例として、大陸の奥地に住んでいる人たちや山岳民族にみられる地方性甲状腺腫があげられる。
食べ物からのヨード摂取不足が原因で、甲状腺ホルモンをつくる材料が不足しているためだ。また、北海道の一部の地域では、海草から多量のヨードを摂取しているにもかかわらず、単純性甲状腺瞳が多発しているような場合もある。この場合はヨード不足という理由では説明がつかず、ほかのなんらかの要因によるものと考えられている。思春期にも甲状腺がはれることがあるが、思春期甲状腺経と呼ばれているもので、思春期を過ぎれば自然に治ってくる。