2014年 の投稿一覧

神経症(ノイローゼ)

神経症はその症状や発病のきっかけによっていくつものタイプに分けられるが、ひと言でいえば心理的な原因によって起きる心の病気である。
軽い場合は生活リズムの変化などで治ることもあるが、症状が重い場合には医師による治療が必要になる。なお幻覚や妄想が起きる精神病とは質的に異なり、また症状が重くても、それが原因となって精神病に結びつくこともない。

症状

神経症はその症状によって次のタイプに分類される。不眠症精神的なストレスによって寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりする症状をいう。
強い精神的ストレスがあれば十分な睡眠をとることができないのが当然で、その意味で不眠症は神経症のすべてに共通する症状といえる。とくに神経症の人の場合、自分の症状を実際以上に悪く思い込みがちで、必要な睡眠をとっていながら睡眠が不十分であると悩むことが多い。したがってあまり睡眠時間にはこだわらず、むしろ「からだが睡眠を必要とすれば自然と眠れる」といったように開き直るくらいのほうがよい。

不安神経症

理由もきっかけもなく不安をおぼえ、自分でも原因がはっきりとつかめないまま、不安感にさいなまれるのが不安神経症である。
もともと不安は不眠と並んで神経症に共通する症状であり、それだけに神経症のなかでもいちばん多い。

心気症

からだに何も異常がないのに、自分で頭が重い、息苦しいなどと思い込み、それにとらわれてしまう病気である。検査によってからだが健康であることを本人に納得させれば、いつの間にか治ることもある。

恐怖症・強迫神経症

不安神経症が漠然とした不安感にとらわれるのに対し、特定の対象や状況に対して恐怖感にとらわれるのが恐怖症である。
高所恐怖症や閉所恐怖症などがよく知られているが、刃物や汚物、人の視線などに恐怖感を感じることもある。一方、強迫神経症は、特定の物事に対して恐怖感を抱く点では恐怖症と同じだが、恐怖症は自分をとりまく外界を対象とするのに対し、こちらは自分の内部が対象となる。

たとえば道の右側を歩かないと安心して歩けない、自分で戸締まりを確認しないと眠れない、といったように、自分でバカらしいと思いつつも、そうしたこだわりから抜け出せないタイプの神経症である。どちらも不安神経症よりも泊りにくいといわれ、治療には精神分析療法や森田療法などが用いられることもある。

離人神経症

周囲に対する現実感を失って、自分の行為やまわりからの刺激に対する認識が薄れてしまう病気。いわゆる「ボーッとした状態」から抜け出せなぃのである。落胆したり、絶望を感じたときに起こりやすいといわれる。慢性化することははとんどなく、ふつう2~3ヶ月で徐々に回復する。

抑うつ神経症

精神的なストレスによって気持ちちが暗くなり、毎日の仕事や生活に対する意欲、行動力が失われてしまう病気。ただし本来のうつ病とは異なり心理的な原因によって起きるものなので、その傾国さえ取り払ってあげれば自然とうつ状態も解消される。

外傷性神経症・災害性神経症

頭部その他のからだにケガをした人が、傷の快復後も不安感や焦燥感が残ってケガをする前の精神状態に.以れないという神経症。
ヒステリーと同様の症状が出ることがある。「まだ現実に戻りたくない」「早く病気から立ち直りたい」という矛盾した気持ちの葛藤が原因となる。この葛藤は無意識のものなので、自分自身では解決できない。そのため、こうした状態が長びく前に、適切な検査と指導を受け、思いきって仕事や家庭に複帰することが大切である。

原因

家庭内のトラブル、職場や近所との人間関係、仕事上の失敗、失恋などさまぎまな環境的・心理的原因によって不安感や恐怖感、抑うつ感が引き起こされる。

診断

神経症になると、不安感や恐怖感など心理的症状とともに、頭重、動悸がするといった身体的な不定愁訴を訴えるケースが多㌧そのため、まず身体的な検査を行い、からだに異常がないことを確認する。
身体的な異常が見つからないのに強い心理的症状があれば、神経症と推測できるわけである。

治療

神経症にはさまざまなタイプがあるが、その原因を解消することを治療の基本とする点では一般の疾病と同じである。それには早期に神経科医や精神科医の診断と治療を受けることが早道である。

膠原病

各臓器や、からだじゅうの細胞をつなぐ役割をしている結合組織に変化が起こる一群の病気を総称して膠原病。病気は必ずしも臓器ごとに起こるのではなく、ときには、心臓、関節、皮膚などのさまざまな場所に、ほぼ同時にあらわれてくることがある。

症状と種類

このような性質の病気としては、関節の痛みを訴える慢性関節リウマチ、発熱が起こるリウマチ熟、痛みやかゆみを伴わない紅斑があらわれる全身性エリテマトーデスなどがよく知られている。
ほかにも強皮症や全身性硬化症、皮膚筋炎、多発性筋炎、結節性動脈周囲灸といった病気が膠原病のおもなものとされており、どれも原因不明の発熱や全身の倦怠感など、多くの共通した症状がみられる。
また、症状ひとつとしでアフタ性内炎や陰部の潰瘍があらわれるベーチェット病のほか、まれな病気だが、涙や唾液の分泌が減少して目や口内が乾燥するシェーグレンン症候群なども、現在は膠原病の一種とみなされている。

原因と治療

今のところ、原因は完全には解明されていないが、自己免疫反応によるものではないかと考えられている。膠原病の専門医を受診し、検査と治療を受けることが必要である。

肺結核

結核菌の感染による慢性伝染病で、かつて「死の病」として恐れられた病気である。戦後、予防法の普及や化学療法の進歩によって死亡率は激減したが、現在も発病する人が後を断たない。昔ほど猛威をふるうことはないとはいえ、やはり恐ろしい病気のひとつである。

症状

肺結核は徐々に悪化する慢性的な病気のため、はじめのうちは自覚症状に乏しい。そのため微熱や倦怠感、食欲不振、体重減少、月経異常といった初期症状があらわれたときには病気はすでに半ば以上進んでいることが多かった。
そして、さらにせきやたん、喀血、呼吸困難、胸の痛みなどの症状があらわれるころには、病気はかなり重くなっていることが多い。
肺結核による発熱は、微熱あるいは高くても38度程度で、発汗や顔面紅潮、ふるえなどを伴うことが多く、たんに血が混じることで肺結核に気づくこともある。なお、ときには、少量の血のかたまりのような血たんが出ることがある。

感染は、おもに患者のせきなどによって結核菌に感染する。ただし感染したからといって肺結核になるとは限らず、青年期までに大多数の人が感染するといわれるわが国でも、実際に発病するのは数%にすぎない。これは多くの人が結核菌に対する免疫をもっているからである。

検査と診断

診断は、胸部X線撮影と、たんの細菌学的検査が中心になる。細菌学的検査にはたんそのものを直接と調べる塗抹検査と、たんのなかの結核菌を培養して調べる培養検査とがある。培養検査は有効な薬までわかる長所があるが、時間がかかる。そこで最近では、結核菌特有のDNAを検出する遺伝子診断(PCR)も行われている。

肺結核の治療は化学療法が中心となり、病状に応じて安静・栄養といった一般療法や、ときには手術が行われる。また周囲の人間を感汎米から守るためばかりでなく、治療効果の観察や薬の副作用のあらわれ方をみるためにも、入院して治療を受けなければならない。
そして少なくとも、たんのなかに結核菌が存在したり、胸部Ⅹ線写真で肺の状態が入院前より悪くなっているときは隔離が必要である。ただし現在では適切な化学療法を受ければ、三〜四か月でたんのなかの結核菌が消えるので、ほかの人への感染の危険性は事実上なくなる化学療法に用いられる薬にはストレプトマイシンをはじめとしていろいろあり、それらの適切な併用でほとんどすべての肺結核を治すことができる。

予防

感染を防ぐこと、結核菌に対する免疫がない人はBCGワクチンによって免疫をつけることが柱となる。感染を防ぐためには患者を入院させることが何よりも大切で、現在では結核予防法によって強制入院が義務づけられている。