三叉神経痛

神経痛は突然、神経にそって痛みがさん走るもので、顔面に起こる神経痛を三叉神経痛と呼び、おもに中年期以降に発病する人が多い。

症状

ズキンとする痛みが瞬間的に顔面片側に起き、発作的に痛みが繰り返し続くのがおもな症状である。発作の持続時間は短いときで数時間、長いものでは1週間ぐらい続くということもある。痛みの広がりは、顔の片側にある三叉神経全域にわたる場合と、眼神経(第I。し」卓りがく一枝)、上顎神経(第二枝)、下顎神経(第三枝) のそれぞれに分かれることもあり、とくに第一枝、第三枝に集中することが多い。また痛みの特徴として、一度おさまっても、何か飲み込んだり、温度差を感じたり、人に話しかけられた程度でも次の痛みの発作が始まったり、また痛みの度合いが増大することがある。

原因

持発性三叉神経塙と呼ばれる原因不明の神経痛がほとんどで、ほかには顔面の三叉神経の近くにある歯、耳、目に起きた病気が原因となる場合や、糖尿病、アルコール中毒、頭部の腫瘍や動脈療、動脈硬化症が原因となる例もある。

治療

ふつうの鎮痛剤では効果がなく、神経の興奮を抑える働きのある抗てんかん剤(カルバマゼピン) の服用が有効である。また三叉神経へのアルコール注射が行われることもある。

生活の注意

痛みの発作が起きたときは、刺激を避けるために、部屋を暗くして安静にする。日常生活では過労や精神的な疲労を避けるようにして、規則的な生活ができるよう配慮することが大切である。

扁桃炎

口蓋扁桃に炎症が起きたもので、急性と慢性がある。のどに異物感や痛みを感じるのがおもな症状である。

急性扁桃炎

咽頭に起こった咽頭炎と同時に発症し、扁桃に急性の炎症が起きたものを指す。

症状と原因

のどに異物感があり、何かを飲み込んだりしたときに差しむような痛みを感じる。化膿してうみがたまることもある。原因は扁桃についた細菌が過労やかぜなどで、抵抗力が弱まったときに増殖して症状を起こすためである。人によっては、かぜのウイルス感染が原因となって発病することもある。

治療

痛みをやわらげるには、鎮痛消炎剤を内服する。また、うがいは炎症をやわらげる。そのほか抗生物質を用いたり、うみがたまったときは、切開してうみを出すことがある。

慢性扁桃炎

急性扁桃炎が慢性化したもので、ほかの病気の原因となることもあり、注意が必要。

症状

のどに異物感があったり、のみ込むときに痛みを感じるほかに、微熱を伴うこともある。

治療

急性症状があらわれたときの治療は急性と同株で、この慢性扁桃炎から心内膜炎や心筋炎、結節性紅斑、またリウマチ性関節炎など、ほかの重い病気に移行することもあるので注意が必要。年に何回も急性症状が出るときは、手術を受ける必要がある

かぜ

症状と原因

かぜとは、鼻腔、口腔、咽頭、喉頭など上気道の粘膜が、寒冷・湿度などの物理的な刺激や細菌、ウイルスなどの感染によって、急性の炎症を起こす病気である。炎症が起きた部分によって、それぞれ急性鼻炎、急性咽頭炎、急性喉頭炎、急件二屈桃炎などに分けることもある。感染部位は一部の場合と、複数の部分が同時におかされる場合とがあるが、それらを総称してかぜ症候群という。
おもな原因はインフルエンザを除くウィルスによる感染で、ふつうは短期間で治る。冬季に発病する人が多いのは、前述のように寒さがかぜの誘因となるためで、実際には季節に関係ない。くしゃみや、鼻づまり、鼻汁など鼻の特徴的な症状から、寒け、筋肉痛、発熱などその症状はさまざまである。また症状の進行度、個人差によっても症状が違うのも特徴的なことである。

はじめはくしゃみ、頭痛、不快感を伴う背すじの鈍い痛みや、だるさが生じ、しだいに発熱、寒け、喉頭痛などのはっきりした症状に変わってくる。

原因によっては、胃痛や吐きけ、下山刑などの症状もみられるようになる。発熱は三八〜三九度にも達することがあるが、体力のない子どもに高熱が出る傾向がある。発熱するときは筋肉痛や手足のしぴれ、背すじから襲ってくるような寒けを感じることが多い。
また、かぜは人によってあらわれる症状が異なる。ある人がかぜにかかれば必ず頭痛に、またある人がかぜになれば必ず筋肉痛になったり、のどがはれたりと、個人差が大きいものである。
また、このような個人的にあらわれやすい症状は、次にかかったときに、たいてい繰り返されることがほとんどである。

経過

かぜの症状は時間の経過とともにかなり変化するのが特徴で、頭痛や不快感、発熱は、個人差もあるが、2~3日程度でおさまってくるものである。これとは逆に長びくのが、せきや鼻汁、鼻づまりである。せきは長い人では2週間、短い人でも1週間も続くことがあり、同じせきでもたんが伴ったり伴わなかったりと、これも個人差が大きく、たんにうみが混じることもある。

初期の鼻汁は水っぽいもので、たいていくしやみを伴って、鼻から体外に排出される。症状が進行すると、この鼻汁もしだいに黄色くネバネバしたものに変わり、これが乾燥して鼻づまりの原因となる。鼻づまりは初期から回復するまで、繰り返すが、末期には持続していることが多い。
この原因は、鼻腔の側壁から突出している部分が膨張して、分泌物の鼻汁とともに鼻腔をふさいでしまうためで、鼻づまりの不快感はかぜの症状でもいちばんイヤなものといえる。これらの症状も1週間から10日間ほどで治癒する。

検査と診断

かぜにかかっても、市販されているかぜ薬で処置してしまう人が多い。このように、ほとんどが経験的なところでかぜの診断を行っているのが現状である。

風邪薬は症状に応じて選ぶ。総合感冒薬、鎮咳去痰薬、漢方薬 | 通販、薬局、ドラッグストアーで購入できる薬

医師は症状をみて診断するが、症状の経過がおもわしくないときは、合併症の有無やほかの病気と区別する意味から、血液検査や尿検査などを行ってその原因を突き止めている。初期にかぜと似た症状をもつ病気としては、肺う膿瘍、結核、細菌性心内膜炎などがある。

治療

かぜの原因を除去することが理想であるが、現在のところ有効な薬はなく、睡眠を十分にとって安静にする一般席法と薬物を用いる対症療法が治療の基本となる。一般療法異常な高熱や合併症の疑いがあるときは、すぐに医師の診察と治療を受けることが大切だが、経験的な判断でかぜと疑われるときなどは、床に入り、安静にして十分に睡眠をとることが何より大切である。

とくに乳幼児や高齢者などは体力がないので、かぜにかかったら外出などを控え、医師の診断をあおいで安静を心がける必要がある。安静はかぜの症状を緩和させるばかりでなく、回復を早めることにもつながる。また、体力のある一般成人の場合でも、からだが弱っていると諸症状が長びいたり、ときには肺炎などに進行することもあるので、無理な仕事は差し控えて、バランスよく栄養をとるよう心がけたい。ビタミンを豊富に含んだ野菜などは十分とり、喫煙や過度の飲酒は症状を悪化させるばかりなので控える。

薬物療法

ウィルスに有効な薬物がない以上、解熱剤や鎮痛剤、せき止め薬を使った対症療法が中心となる。ただ、鼻づまりや鼻汁を緩和させるために抗ヒスタミン剤が使用されることがあるが、現在はあまり有効とはされていない。また、かぜにかかったとき必ず合併症にかかる人の場合、その合併症に有効な抗生物質が使用される。とくに急性性肺気腫の人や気管支炎の傾向が強い高齢者などには、初期症状のうちから抗生物質が用いられる。

合併症

かぜに伴う合併症としては、気管支炎、肺炎、または副鼻腔炎や中耳炎が多い。これは、かぜにかかるとほとんどの人が、喉頭が赤くはれて炎症を起こす喉鏡炎になり、それがほかの合併症を誘発するためである。それだけに「かぜくらい、たいしたことはない」と簡単に考えていると、かぜ以外の思わぬ病気で苦しむことになるので、注意が必要である。なかには、かぜから肺炎を起こし、さらに肺炎が悪化して心不全に至るというケースもある。

予防

日常生活の注意をはじめ、種々の気づかいが、かぜから身を守ることになる。ウィルス感染を防ぐには、発病した患者の周囲には近寄らないように注意することが第一で、かぜがはやっているときには人込みに出かけない、どうしても出かけるときはマスクをし、帰宅後に十分なうがいをするなどの心がけが必要である。
また、かぜがはやっているときは、無理をしないで体力維持につとめ、栄養のある食事をとることもかぜの予防には役立つ。とくに呼吸叩爾機能が低下している人や、乳幼児、高齢者などかぜにかかりやすい人は、つとめて健康維持に注意することである。さらに冬季の寒さはかぜに対する抵抗力を弱めるので、外出するときは適度な厚着で寒さから身を守ることも予防に役立つ。