子供

神経性食欲不振症

命が危険になるほど極端にやせても、さらに病的にやせたがるもので、従来は思春期の女性の病気と考えられていたが、最近は小・中学生の女子にも増えてきている。

症状

標準体重より30%以上もやせてしまうケースが多く、それにもかかわらずさらに動きたがる。食生活の面では、自分から節食や拒食をする一方、突然、大食いしたり盗み食いをするなどの異常がみられる。また月経がなくなることも多い。

原因

太ることを嫌い、太っていると思い込み、やせることを望む本人の気持ちが原因。無意識のうちに母親(つまり女性)のようになることを嫌う心理的な規制が働いている場合もある。

治療

食べられるような条件づけをしてやるとともに、高カロリーの食事内容を低カロリーのように見せるなどの工夫をする。効果がない場合は入院治療が必要となる。本人がこの状態を異常と考えないことが多いので、自覚させることが大切である。症状が進行すると生命にかかわることもある。

急性肝炎(子供)

大人の急性肝炎はこちら

症状

全身がだるくなり、不機嫌で食欲が低下し、さらに吐きけがあり、発熱も伴うなどの症状で始まり、数日のうちに黄痘があらわれる。

子どもの場合、大人に比べて症状は一般に軽いが、まれに激しい症状を起こすこともある。これを劇症肝炎という。

原因

子どもの肝炎はほとんどがウィルスによるものだが、ウィルスの種類によって、経口感染する流行性肝炎(A型肝炎)と、輸血や母子感染(垂直感染)が原因となって起こる血清肝炎(B型・C型肝炎)、そのほかEBウィルス、風疹ウイルス、サイトメガロウィルスなどによるものもある。

治療

特効的な治療法はなく、十分な安静と食事療法、点滴輸液療法が行われる。食事療法では、嘔吐のために食事がとれないときは点滴によって栄養と水分を補給し、徐々におも湯や果汁などを与える。急性症状がとれるにつれて豆腐や白身の魚、卵、鶏のささ身など良質のたんばく質で、消化がよく、脂肪の少ないものを食べさせる。ふつうは、肝硬変に移行することはめったにない。しかし、慢性化すると治りにくくなるため、肝機能検査を定期的に受ける必要がある。

ダウン症

症状

ダウン症 では、精神発達の遅れがあり、顔つき、からだつきに異常があらわれる。とくに目立つのが顔つきで、丸い顔に細くつり上がった目、低い鼻(鞍鼻)、小さく厚い唇と大きな舌が特徴。
このほか、首が短い、後頭部扁平、耳の奇形、幅広く短い手指、指紋・足紋の異常などもみられる。

新生児期には泣き声が弱々しく、補入力も弱い。心臓疾患やてんかん、白血病を合併することも多く、手足の筋肉は弱く、やわらかい。性質は一般におとなしいが、生活はある程度ふつうにできる。

原因

常染色体の21番めが3本あり、計45五本の常染色体により発症するものが90% 以上を占める。約1000人に1人の発生頻度で、父親や母親の妊娠時の年齢が高くなるほど発症率も高くなる。
母親の年齢が20~30歳では約2000人に1人、35~39歳では約370人に1人、40歳以上では約100人に1人の割合で発症し、45歳になると急激に増え、約40人に1人となる。
また、一度 ダウン症 の子どもが産まれた場合、次の子どもにも約100人に1人の割合で染色体異常があらわれる危険性があるとされている。したがって、次の子の妊娠の前には、その危険性について、専門医の説明を受けることも忘れてはならない。高齢妊婦には羊水穿刺による出生前診断を行うことをすすめる。

治療

生まれてすぐに診断がつくことが多いが、残念なことに根本的な治療法はない。平均知能指数30~70で年齢とともに低下の傾向がみられるが、個人差は大きい。最近では、発育・発達の遅れを防ぐため、新生児期のうちからリハビリテーションなどの特殊な教育が行われている。

家族の対応

わが子が ダウン症 であるというショックから早く立ち直り、積極的に養育に取り組むことが、子どもの発達を肋ける。大切なことは、あきらめずに、専門医とじゅうぶん相談したうえ、その指導のもとで子どもの程度に応じて、もっている能力を伸ばすようにつとめることである。