肝炎は肝細胞が破壊され、肝臓に炎症を起こす病気で、ウィルス、アルコール、薬、免疫異常などが原因で起こる。日本ではウィルスとアルコールに起因する肝炎がほとんどで、80%をウイルス性が占め、アルコール性は増加傾向にあるものの、およそ20% である。
ウイルス性肝炎の原因となる肝炎ウイルスは、現在、A~G型の7種類が確認されている(かつて非A非B型といわれたもののほとんどがC型であることがわかった)。ウィルス学的にはそれぞれ違うウイルスだが、ウィルス自体が肝細胞を破壊するのではなく、ウィルスを除去しょうとする人体の免疫反応が肝細胞の壊死(破壊)を引き起こす。
そのため病状の経過は少し異なるものの、ウイルス抗原の種類に関係なく、病変は同じになるのである。
したがって、肝生検や肝機能検査のみでウイルスの種類を特定することはできず、血液検査が必要となる。原因による分け方とは別に、肝炎は病気の起こり方、症状によって、急性肝炎と慢性肝炎にも分けられる。