口腔の異常

不正咬合

いわゆる出っ歯( 上顎前突)、受け口(反対咬合)など、歯ならびや歯のかみ合わせの異常を不正咬合という。

原因

先天的な原因と後天的な原因とがある。両親のどちらかが上顎前突か反対噴合だと、子どもも先天的に上顎前突か反対咬合になる可能性がある。

日本には反対咬合が多い。後天的な場合は、乳歯と永久歯が正常に生え替わらなかったために起こるケースが多い。乳歯と永久歯が適切な時期に生え替わらず、乳歯がいつまでも残っていたりすると、正常ではない位置に永久歯が出てくる。

その結果、歯列不正となってかみ合わせが異常になる。むし歯が原因でも起こる。永久歯と生え変わる前に乳歯がむし歯のために抜けてしまうと、永久歯が移動したり傾斜したりして不正咬合となる。抜歯後すぐに保隙装置を入れると予防できる。

また、後天的なケースとして悪習慣が原因で不正校合となることもある。たとえば、指しゃぶりやゴム乳首を長く使っていると、上顎前突や、前歯が開いてかみ合わない開校などになる。そのほか、額づえをつく習慣や鉛筆をかむくせなども不正咬合の原因となる。さらに、アデノイドのため口で呼吸する習慣がついていると、口蓋が深くなって上顎前突が起こる。

むし歯

細菌が感染し、それが歯についた食べ物のなかの糖分を酸に変え、さらにその酸が歯の脱石灰化をうながすことによって起こるもので、正式には「う歯」という。母親の妊娠中のカルシウム不足が原因ではなく、甘いものや酸性食品のとりすぎが関係している。

症状

子どものむし歯には大人と違う2つの特徴がある。ひとつは、進行が早く、歯の表面の黒褐色の小さいむし歯が、短期間のうちに内部に進行ししずいて歯髄にまで及び、炎症を起こすこと。
もうひとつは、1度に多発し、多くの歯をおかすということである。進行の程度によって、熱いもの、冷水、冷たい空気、甘いものなどでしみたり、痛みを感じたりする。

予防

むし歯予防は、歯、とくに歯と歯の間を清潔にすることである。歯が生えはじめたら、母親は乳幼児用ゴム歯ブラシや幼児用のやわらかい歯ブラシを使い、食後の歯みがきを習慣づけたい。

みがき方は、小児歯科できちんと指導を受けるとよい。子どもがどうしてもいやがる場合は、ガーゼで歯をふくだけでも効果がある。
同時に、フッ素化合物の塗布はさらに有効である。年2~3回、定期的に塗り、もちろん、食後の歯みがきも忘れてはならない。

ただし、乳幼児ではうまく塗れないため、年長児期まで待つほうがよい。菓子や果実を食べたあとも歯みがきの習慣をつければ、甘いものを与えてもよい。ジュース類を飲んだときは、口をゆすがせる。

治療

むし歯は放置しておいて自然に治ることは絶対にないので、早期に治療する。軽いうちはおかされた部分だけを削り取って、合成樹脂や金属を詰めればよいが、歯髄(歯のなか)までおかされると、いわゆる神経を抜くといわれるように、歯髄まで取り除かなければならなくなる。

さらに進むと抜歯が必要である。子どもの場合は急速に歯髄まで進むので、早期に小児歯科を受診することと、定期検診が必要である。

また放置すると、うまく抜歯できなくなり、永久歯の歯ならびを悪くしたり、永久歯のむし歯の原因ともなる。ときには腎炎や骨髄炎、敗血症などをまねくこともあるので、たかがむし歯とあなどれない。

むし歯が進行して痛がるときは、とりあえずむし歯のなかに詰まっているかすをようじで除去し、ぬるま湯でよくうがいをさせる。その後、むし歯用痛み止めを塗ったり、冷やしたりしてその場をしのぎ、歯科医にみてもらう。

早食いでよく噛んで食べていない | Health Checkなどもむし歯に関連します。

歯肉炎

歯を支える周囲の組織のうち、歯肉に炎症が起こる病気で、歯肉が赤くはれて出血し、その結果、歯肉が軟弱になってくる。

原因

局所的な原因と全身的な原因(誘因)があり、前者では、口のなかが不潔で、歯垢、歯石などが沈着することによる場合が多いが、歯ブラシを正しく使わない場合にも起こる。
後者は、ヘルペス、内分泌障害、代謝障害、ビタミンC欠乏、糖尿病、結核などが原因で発症する。いずれにしても痛みと発熱が歯肉炎の特徴である。また、局所性の場合は、放っておくと歯槽膿漏症になることがある。

治療

口内の清潔と正しい歯みがきが大切。基礎疾患がある場合はその治療が先決で、ヘルペス性の場合にはアシクロビルが用いられる。
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