2015年 2月 の投稿一覧

肋間神経痛

神経痛の一種で、肋骨の間にある肋間神経に痛みがあらわれる。

症状

痛みが発作的にあらわれるものと、持続するものとがある。

原因

帯状疱疹の治療後に激痛が繰り返しあらわれることが多い。しかし、それ以外にも、コクサッキーウイルスによる感染やかぜ、肋骨カリエス、肋骨へのがんの転移、さらには狭心症などの内臓疾患に伴って起きることもある。

治療

ふつうの鎮痛剤でもかなりの効果があるが、痛みがひどい場合にはその部分の神経や神経根をアルコール注射で麻痺させることもある。

虫垂炎

盲腸炎と呼ばれることが多く、「病気のうちに入らない」といわれるほど一般化している病気である。10~20歳代に多く、消化管の外科的病気としては最も多いもののひとつだが、最近では抗生物質の普及で患者数はやや減少している。
なお医学的にいうと、虫垂は盲腸の先端にある一部分で、盲腸イコール虫垂というわけではない。なお一般には急性虫垂炎と慢性虫垂炎に分けられることが多い。

症状

吐きけや嘔吐を伴う腹痛が、典型的な症状である。ふつう虫垂炎の腹痛といえば右下腹部に起きることが知られているが、最初から右下腹部に痛みがあらわれるわけではなく、まずみぞおちのあたりに痛みがあらわれてから、しだいに右下腹部に移動する。そして痛みが移動するにつれて、痛みの範囲は狭まり、そこを押すと痛みが強くなる。
このほか37~38ほどの発熱があらわれることが多く、食欲がなくなってくる。また便秘になるのがふつうだが、重症になって腹膜炎を併発した場合には下痢になることが多い。

原因

病気自体はこれだけ多くの人に知られていながら、その原因についてはわからないことが多く、現在のところ、腸内感染説や血行感染説、アレルギー説などがいわれている。ただ盲腸の先にミミズのようについていて、内腔も狭いため、腸の内容物の排出がとどこおったときに、炎症を起こしやすいことは確かである。
また、かぜや腸炎に続いて起きたり、伝染病のように職場の同僚や家族が次つぎと虫垂炎になることもあり、この場合はウィルスが関係していると考えられる。
そのほかブドウの種など異物が詰まると虫垂炎になるという異物説も一般にはよくいわれているが、健康な虫垂は腸の内容物が出たり入ったりしているので、単に異物が入っただけで炎症が起きるとは考えられない。

経過

発病して数時間でひどくなるケースもあれば、数日かかることもあり、経過は一定しない。ただ一般的にみて2つの病態に分けることができる。
ひとつは炎症部分が虫垂に限られる単純性急性虫垂炎で、もうひとつは炎症かのうが激しく虫垂が破れて穴があく化膿性虫垂炎である。前者は虫垂炎の初期段階で比較的治りやすく、後者は一気に腹膜炎に進んで治りにくい。

診断

へそとベルトがかかる右側の骨を結ぶ線上にあるマックバーネ圧痛点などへの触診が基本で、必要に応じて血液中の白血球を検査する。

治療

ほとんどの場合、手術によって虫垂を切除する。ただ初期で症状が軽い場合には、抗生物質による治療で治すこともある。その場合は食事と安静に注意しなければならない

腸炎

腸の粘膜に炎症が起きる病気で、急性腸炎と慢性腸炎がある。

急性腸炎

症状

腹痛と下痢がおもな症状である。また食中毒にみられるように、急性胃炎を併発して、吐きけや嘔吐があらわれることもある。急性腸炎は小腸だけに起きることは少なく、大腸にも炎症が広がることが多い。そして、この炎症の範囲が広がるほど、下痢のあらわれ方は激しくなる。便は水様便のことが多いが、ときに血が混ざることもある。
また食べたものが小腸で吸収されないので、消化不良便になる。腹痛のあらわれ方はさまざまで、へその周囲に重苦しい痛みがあらわれることもあれば、鈍痛を感じることもある。
また数分ごとに痛みが軽くなったり、重くなったりするケースもある。そのほか腸内にガスがたまると、腹がゴロゴロ鳴ったり、張ったりする。なお細菌などの感染が原因となる場合は、発熱を伴うことが多い。

原因

細菌やウィルス腸炎や細菌性食中毒などが、このタイプである。また非細菌性食中毒のように、病原菌以外のものが原因となるケースもある。

診断

便の検査が中心となる。そのため受診するときに、清潔なビニール袋に便を少量とって持っていくとよい。便の検査では色調や形、内容物の状態、血便の有無などを調べるほか、顕微鏡で寄生虫や原虫の有無を確認する。細菌については培養したうえで鑑定診断を下すが、それには時間がかかるので、ほかの症状などを考え合わせて診断することが多い。

治療

できるかぎり早い、うちに医師の診察を受けて原因を確かめ、それに合った治療を受けることが基本である。とくに発熱や粘液便、血便などがある場合には、細菌による急性腸炎の可能性が高いので、早急に受診しなければならない。
細菌が原因となる場合には抗生物質が効果的で、あわせて2~3日の絶食と、水分の十分な補給を行う。

慢性腸炎

症状と原因

急性腸炎と同じである。ただ腹痛は、下腹部に起きることが多い。細菌やカビ、寄生虫などに感染して、腸の粘膜が長期間にわたり炎症を起こす。感染の原因としては、腸結核や放線菌症、アメーバ赤痢などがある。また感染以外の原因で起きる慢性腸炎もあるが、その多くは潰瘍性大腸炎のように原因がまだよくわからず、非特異性炎症性腸炎と呼ばれている。このほか薬剤や化学物質などによって起きることもある。

診断

急性腸炎と同じく便の検査が中心となるが、ほかにも腸のⅩ線検査や大腸内祝鐘検査が行われることもある。

治療

原因によって治療法が異なるので、診断が確定したら医師の指示に従う。食事も急性の場合と同様で、消化がよく刺激の少ないものを食べるようにする。また、食事は決まった時間に、規則的にとるように心がけることが大切である。ただ急性腸炎と違い、治るまでには時間がかかる。