2016年 11月 の投稿一覧

リウマチ熱

5~10歳代の子どもにみられるもので、知らない間に、心臓病を併発する恐れのある病気である。

症状

ひざ、足首、肩、ひじ、股関節など、からだの各部の関節がはれて痛み、発熱し、心臓がおかされて(心膜炎)脈が速くなり、顔色も悪くなる。
さらに、ひじなどの皮膚の下に小さな結節ができたり、あまり日立たないが皮膚に地図状の紅斑(約15~20%に発症)があらわれたり、手足が無意識に動くといった異常な動作がみられることもある。

原因

A群β 溶連菌の感染後に起こる過敏反応と考えられているが、発病は現在では少なくなっている。

治療

原因である溶連菌に対して抗生物質が用いられる。心膜炎を併発していない場合にはアスピリンが投与され、起こしている場合には副腎皮質ホルモン剤が比較的大量に用いられる。
溶連菌の再感染で再発しやすく、それによって心臓病に進みやすいため、安静と長期の治療が必要となる。再発防止のためペニシリンの内服を数年続ける必要もある。また、心膜炎を起こした場合は入院が必要である。

予防

溶連菌による扁桃炎などは、抗生物質で十分に治療しておく。75%が5年以内に再発するので、数年は咽頭炎や虫歯の治療に注意する。

インフルエンザ

かぜの一種で、流行性感冒ともいう。インフルエンザウイルスが原因で発症し、1~2日間の潜伏期間がある。

症状

鼻水や咳に続くか、あるいは突然に、寒けや頭痛、発熱が起きたり、引き続き食欲不振や倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状があらわれてくる。型によって、下痢や嘔吐などの消化器症状、眼症状、喘息、熱性けいれんなどがみられることもある。

熟は、はじめ39度~40度まで上がり、これが3~4日続いたあと下がる。

熱が下がるとほかの症状も軽くなる。乳幼児の場合は大人よりかかりやすく、ときに脳症や肺炎、細気管支炎を起こしやすい。併発すると重症化するので、早期に治療を受け、余病を併発しないよう十分な注意が必要である。

治療

特効薬が開発されたので、すぐに受診して治療を受ける。しかし、脳症の完全な予防にはならない。合併症では抗生物質なども用いられる。自宅では、体温を下げて安静にする。

予防

インフルエンザは予防接種である程度予防できる。インフルエンザウイルスにもいろいろな種類があるため、必ずしもこれから流行するウイルスに対して有効とは限らないが、軽い症状ですむことが多いといわれている。幼い子どもの場合でも、インフルエンザ脳症の予防のために予防接種はぜひ受けておきたい。

脳炎・髄膜炎

脳に炎症が起こるものを脳炎といい、脳や脊髄をおおっている髄膜に炎症が起こるものを髄膜炎という。両方が同時に起こることもある。

症状

おもに高熱と頭痛があらわれる。乳児期では、はっきりした症状があまりみられないが、ぐったりとして元気がなく、光をまぶしがって目をそらす、吐くなどの症状があらわれ、さらに進行するとけいれんを起こす。

髄膜炎では、うなじの部分がかたくなり、寝かせて首を前に曲げたときに痛がるようなら注意が必要である。

原因

ウィルスや細菌の感染が脳や髄膜に及んだためで、はしか(麻疹)やおたふくかぜなどの合併が多い。

治療

早急な入院治療が必要で、細菌性の場合は抗生物質の多剤点滴が行われる。また脳圧を下げるために、副腎皮質ホルモン剤や抗けいれん剤が用いられる。ヘルペス脳炎には特効薬のアシクロビルが使われる。

髄膜炎でもウィルス性の場合は比較的予後は良好だが、細菌性では知能障害やてんかんなどの後遺症を残したり、生命にかかわることもある。予防のために、はしかやおたふくかぜ、風疹、日本脳炎などの予防接種は必ず受けておきたい。